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かっこいい悪役を探して  作者: 中山恵一
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魔物交流サングラス Vol. 3 顕示魔

ある温泉街に旅行へ行っての休憩所


男二人兄弟らしき二人組が口論を繰り広げている


ためしに魔物交流サングラスをかけてみると、やっぱり、いた



『一人で孤独でいるか、戦うかだ。ひたすら戦え

 負けたくない、勝ちたい、そう願って争え


 どちらかの声が小さくなった時

 一番、大きな声で語っている声だけが生き残り

 他の声は掻き消され黙殺される


 自分の声こそが誰もが聴くべき声と信じて大きな声で叫べ



 自分以外の存在が、いても、いなくても、どうでもいい

 特に必要とされない存在となっても


 自分の存在こそは必要とされる存在と信じて

 自分の存在を認めてほしいという願望のままに語れ』



(煽ってんねー、なんで? そんな事してんの?)



『ん? なんだ御前は?


 同じ事をしている人間が二人以上いたら

 自分が勝って自分だけが良い想いをしたいと

 憎み合い、争うのが当たりまえだろ? 違うか?


 こいつらは自分の存在感を高めたいという

 自己顕示欲という欲望が


 他の何の欲より強い生き物なのだから

 その欲望を満たしてやっておるのだ。』



(てか、あんた誰? 何の魔物?)


『自己顕示欲を司る魔物だが。それが何か?』


(この男二人兄弟に憑いてんの?)


『うむ、今の所はの


 決着がついて勝った方の存在感だけが高まって


 負けた方は、いるのか いないのか

 生きているのか死んでいるのか わからないという


 どうでもいい存在に陥ったら離れるつもりじゃ』



(ふーん、じゃ この男二人兄弟に憑く前にも同じ事やったんだ?)



『女二人の自分だけが皆に美しいと賛美されたい

 という願望を抱え争っていた二人姉妹に憑いておったの』


(ちなみに、その二人の決着てのは?)


『勝った内輪の女王という存在となった方が

 大勢の下僕や奴隷を手に入れ


 負けた方は、ほどほどに生きていけそうな結婚相手を見つけ

 普通の平凡な住宅街の主婦生活に突入した

 勝者の派手な生活を妬みながらもな


 今、どうなっておるのかは知らんぞ』



(いっやー、そうなんだー 冷ややかだねー 流石は魔物様

 欲望を丸出しに醜く争う姿が見たいだけなんだー)


『当たり前じゃ、自分の我欲だけを丸出しに

 その欲を満たすためだけに醜く獣のような性を剥き出しに


 そうした姿、そして互いに醜い姿を曝け出して争う醜悪な心


 そういった情念などがワシのエネルギー源なのだから


 デーッヘッヘッヘ。ンゲーッヘッヘ』




・・・・




数年後、再び同じ温泉街のある集落へと出かけた


負けた方が、どうなったかを見物するためだ



噂を拾い集めて知った結果は、


 集落にいる多数派な人々・・


 身の程をわきまえて己の分を知り

 自分は目立たないようにしている人々によって語られていた



 男二人兄弟の負けた方は


 晒し者にされるために悪目立ちする

 多くの人々に罵詈雑言を浴びせられるだけの愚か者


 我等の中の悪しき存在な象徴、反面教師として

 その集落社会から抹殺され、存在しなかった事になっていて

 そこに生きる人々の視界から消され


 勝者となった男が街の名士として君臨して賞賛されていた。



そして、いつか見た魔物は今度は街の名士となった男の

二人いる娘姉妹に憑いていた。

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