アニ女 Vol.3 再会
高校を卒業して最初の秋の事だった
小学校高学年頃から、一緒に遊んでいた人々が
長年、運営していたアニメ二次創作小説WEBサイトが
閉鎖されて全てのコンテンツが消えた
最初、あれ? プロバイダの規制に引っ掛かるような
過激な表現でも書いて強制閉鎖かなとも想ったが
たぶん、WEBサイト管理人が自主閉鎖したんだろう
ついに最期まで残っていた人が何かによって
アニメ沼から脱したようだった。
同じアニメファンが集結して昔は盛り上がったけれども
アニメ自体が流行遅れな過去の作品となって
熱狂的に一緒に騒いだのが昔話になった
そういえば・・・グループラインとかもあった
あのラインを抜けてから何年が経過したかを
すぐには想いだせないくらいの時間が経過したのだ
高校受験の時に自分だけが有名進学校に入学したいのが
沼に嵌めて勉学成績を落とすための罠に
アニメ沼を使いだした時に少し醒め出して
高校に入学した頃だったか
必死になって結婚相手を探している時に
沼に嵌めて色恋沙汰に無関心にするための罠に使いだした時に
完全に、どうでも良くなって彼氏を見つけると同時に
グループラインから抜け
過去ログサイトをROMするだけになったのが
もう3年くらい前なのを思い出す
・・・・
過去ログサイトが消えてしまってから
過去ログサイトというか二次創作小説サイトを
立ち上げたのが当初、語っていた言葉が浮かぶ
高校文学クラブ甲子園の全国大会で同じ文学部の先輩が
最優秀優秀賞とかを受賞した自慢
自分も優良作品賞を獲得した自慢
その勢いで書いた二次創作小説をアップした
WEBサイトを作った時のセリフ
そして奴が書いた二次創作小説や
それに触発された自分の二次創作小説を読みかえしてみる
めっちゃ稚拙、というか・・・何かが無い・・・
なんだろう、このスカスカ感。なんか足りない感。
ふと、何が無いんだろうか? と疑問に想う
アニメの、あの脇役がもしも主人公だったら
あの悪役が主人公だったら
という視点で妄想した物語
その当時の友人とかとの内輪で語っていた
宙荷病なセリフが混ざった会話
誰かが思いついた物語設定テンプレートと
物語フローチャートを使い回したかのような
同じパターンの仲間救済アクションバトルシーンと
ゲームクリアみたいにラスボスを倒してのラスト
こんなにワンパターンだったっけ?
よくこんなので内輪で面白がったもんだなとも思えた
内輪で漫画家アシスタントになりに
高校を中退して上京してしまったのが出没して
他の人間が、あそこまでは・・と引いて下火になったのと
大学受験とか就職試験とかが忙しくなって
最早、誰も書いていないのだが・・
試しに漫画家アシスタントになったのが
使っていたペンネームを入力して検索してみると
ヒットして自作小説サイトの作品が出てくる
画力には、まだ自信が無いからなのか
文章だけで画は主人公の挿絵イラストだけ
どうって事の無い日常だった
小学校高学年から中学2年生の時間を
漫画原作っぽい感じで極端に極端にデフォルメして
美大に入学した1年生から
留年しまくった8年生までが集まる学生下宿と
主人公が一年生から大学を卒業して就職するまでに
キャラクターを変換して
ああコレ、あの娘がモデルかという感じで書かれていた
こんな楽しい日常を
同じ美術?芸術?を追及する仲間と過ごしてみたかった
という願望と
漫画家の女アシスタントの恋愛実情
などが、ゴッチャになった不思議な世界
今いる内輪が美大OBだらけなのだろうか
美大あるあるみたいなウンチクや
いくらなんでも、そんな奴ぁいねぇよ感がイッパイで
突っ込みどころ満載なギャグシーンとかも混ざって
ラストシーンに向かって喪失が描かれる
美大を卒業した事で学生生活が終わる喪失
同じ美大OBが集結した学閥のある広告会社に就職して
直面した色んな思惑とかスポンサー要求とかのために
自分の表現ポリシー?のような何かを失ったような喪失
結婚生活を抱え独身生活が終わる事での喪失
んな無くすばかりじゃなくて得るものも、あったのでは?
と想うが、何故か喪失についてのみ描かれる
最初、抱えた子供っぽい馬鹿げた夢や理想は
大人になって現実と向き合う内に忘れていくものだ
というような言葉が繰り返される
読んでいる内に、もう一度、会ってみようかなとか思いつくが
接点が無くなって数年、連絡しようにも電話番号も知らない
メールアドレスを見て
メールしてみようかななどとも思いついて
メールを投げて返信は無かった
たぶん、”何? いまさら”と想ったのか
怪しいスパムメールと一緒に消されたのか
そんなもんだろうと思って連絡して再会するのを諦めた
結局、二度と会う事は無いのだろう、残念だ。
再会したら今の現実や日常が壊れるから二度と会いたくない
そんな言葉が頭に浮かぶ、そんなワケ無いのに。
・・・・・
夏祭り前の金曜午後、帰省してきていた漫画家アシと
すごい偶然で再会した
昔のようにカラオケにでも行ってみようかという事で
カラオケボックスへ
最初に一曲は昔と同じように
TVアニメ シーズン1の、オープニング・テーマを入れて歌う
が、2曲目からは交互に入れる曲は全然違った
漫画家アシ仲間と一緒に歌いこんでいるって感じのアニソンと
職場づきあいで歌わされた演歌な歌謡曲っぽい曲とが交互に流れる
そして、劇場版でシリーズ最高興行収入だった作品の
誰もが知っている有名な曲を、一番、歌のうまいのが歌っていたのを
想いだして入れるが、両方とも何故か歌わない
というか歌えなくてカラオケを聞きながら
昔、集まっていた時に、この歌を歌っていたのの噂話になった
「そういやあ、あの娘、今どうしてるんだろうね」
「そうだねー、どうしているんだろうね」
「でも、あの当時は感動したし、カッコ良かったよね」
「うん、内輪のカッコ良いスーパースターって感じで感動してた」
「今、聞いたら、どんな感じがするんだろね」
「いやー、流行遅れなアニソンを唄う20代前半のオネエさん?」
「あの場の、あの内輪の空気で盛り上がっていただけだからねー
たぶん、アレ? こんな感じだったっけ? なんじゃね?」
「だよねー」
「勘違いして、うたってみた動画とか作ってたりして」
「え? 検索してみる?」
とスマホで検索してみると、うたってみた動画がヒット
”ハードコア・パンク・アニソン さざえモン”
さ●えさんの曲をパンクアレンジで過激な下ネタ歌詞にして歌っているのと
どら●もんの曲をパンクアレンジで過激な下ネタ歌詞にして歌っているのとを
つなぎあわせたメドレーを、ビッチファッションで歌っている動画
「いやー、やっぱ、二度とやらない方がイイって事かも」
「そうだねー、続けりゃいいってもんじゃないよね」
そして最後に、TVアニメ 最終シリーズの主題歌を二人で大合唱して
その夜は終わった。




