正国 vol. 10 平凡な若年労働者の日常
所属する同業者団体での定年年齢になった
想えば、学校を卒業して労働者となってから
長い労働者生活だった。
成人になった時のDNA遺伝子検査で
”繁殖するに値しない国民”と判定されたので
子供や、一緒に子供を育てる同居の人間はいない
レズビアンやゲイでも優秀なDNA所有者として
”繁殖するに値する国民”と判定されると
子供が出来るまで幻惑剤を飲まされ、催眠術をかけられて
夜の生活をさせられる。
昔は、結婚制度というものがあって
父親、母親として特定の相手と
子作り子育てをする事になっていたらしいが
子育てをするのに莫大な金がかかり
同じように子育てをする人々と子供の教育をする場所で
色々な問題が発生して、国に必要な
”有能で働き者の労働者”や
”高い職務把握能力や統治能力を持つ社会統治者”などが
他国に比べて育成できなくなっていって
人口が減りまくって国が衰退したため
DNA鑑定をして優秀な労働者や社会統治者の人口を維持しよう
という事になって結婚制度自体が廃止された
というか結婚制度を利用する人が少数派になった
ほとんどの労働者が子供を作ったとしても
一緒に子作りをした相手と共同子育てをする共同生活は送らずに
子供は教育施設へと渡して単身労働者寮で生活する
自分の両親も、そうだったようなので
自分とかは父親も母親も、どんな人間だったか知らない
物心ついた時には労働者教育学校で
少しでも優秀な労働者として国のために働く事を勉強していたので
その学校で競争して同じ学生寮で生活していた労働者候補学生が
昔あった家族制度の、”同居の兄弟”みたいなものだ
18歳から35歳までの若年労働者として
同業者団体が所有する、単身若年労働者寮で過ごしてきたが
36歳になる来月からは
36歳から60歳までの中高年労働者が
仕事の間に寝泊まりする場所として同業者団体が運営する
単身中高年労働者寮で過ごす事が決まっている
受付に行くと、新しく毎日を過ごす職場の説明
「いままで若年労働者としての労働者生活、御苦労さまでした
貴方が労働者養成学校を卒業された時に判定された
職務把握能力、職務遂行能力を今年、再判定しました所
年齢によって少し能力に変化が発生しておりました
貴方が、35歳から60歳まで
中高年労働者として適正があると判定されましたのは
”労働者消費促進センター”での仕事です
まだまだ、年齢的に働き盛りといえる年齢です
同じ職場で同じ職務を担当する勤勉で優秀な労働者として
頑張って一緒に働く皆様との人間関係を構築して過ごし
高齢になっても高額納税者として働いて国家表彰されている
有能な働きものの皆様のように国民の納税義務を果たすために
一生、死ぬまで頑張って働きましょう
働く事こそ我が国の国民の人生にとって一番、大事な事
与えられる仕事だけが国民の義務。今日からは
”労働者消費促進センター”の労働者国民として頑張りましょう
これは栄誉ある素晴らしい事なのです」
というような事を言われ色んな手続きをして
労働者消費促進センターで働く中高年労働者としての最初の一日が過ぎた




