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かっこいい悪役を探して  作者: 中山恵一
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正国 vol. 1  元正義の味方、会社を買う


俺は正義の味方、今日ついに長年の念願を果たした

悪の組織を全て壊滅させて世界平和を達成したのだ


平和を維持するための正義の味方というのが

必要なのだという事なので

自分の次に正義の味方をやる人へと引き継ぎ作業


今まで壊滅させてきた悪の組織の活動内容や

その組織所属員を、どうしたかについての記録


今まで、この悪の組織を倒して下さい

あの悪の組織を倒して下さいと依頼してきた

世界平和を一緒に達成しようという組織についての

連絡先と連絡方法


などを全て受け渡して引き継ぎが終わった


今まで依頼してきた組織から受け取ってきた報酬がある事だし

人生を何往復もできるほどの金がある。これから何をしよう。


と思っていた所へ、一人のセールスマンがやってきた。


「どうでしょう? 我が国を買いませんか?」


「何を言ってるんですか?」


「いや、言い方が悪かったんですかねー

 我が国の主要産業ピラミッドの頂点に立つ

 国営企業を買い取って大株主というか

 経営権というものを手に入れませんか?


 我が国の観光やホテル、鉄道などの交通、

 スーパーやコンビニ、製造業、金融などを抱える

 巨大グループ国営企業の経営権ですよ


 我が国では株式の51%以上を保有していたら

 その会社の経営権が手に入りますので


 自分を取締役にして取締役報酬を払え


 という事も可能なのです。おわかりでしょうか?」


「で? いくら払えと?」


「貴方が口座を持っている我が国の友好国銀行で

 所有している現金の50%ほどで買えると思いますが

 いかがでしょう? それとも何かご予定とか有りますか?」


なんで、そんな今まで会った事もないアンタが

俺の貯金額まで知っているんだ。と思ったが

しょうがない、これも有名税かと考え一言言った。


「うん、買ってもいいよ。でもね。これが嘘で

 君が詐欺師で俺が騙されたと感じた場合


 君と君等を、悪の組織とその一員と判断して

 二度と、こういう事をしようとする人間が

 発生しないようにしようと想うんでけど。いいかな?」


「はい、かまいません。」


そして数日後、その国の有価証券取引について説明する人間と

その国営企業の最高財務責任者が来て自分たちの事を語る


我等が、いかに国のため国民のために働いているかなども語る


いわゆる我等の正義というヤツを語ってきた


正義の味方は、正義の味方を引退

とある国の巨大企業グループのオーナーになった。



そして数年が経過、正義の味方も老いて強く無くなった

もう悪の組織や、その組織の悪の改造人間が発生しても

悪の改造人間を退治したり、悪の組織を壊滅させるのも無理になり


今の正義の味方へ、悪の組織を壊滅させる依頼をする側の人間になった


自分の所有する巨大企業グループにとっての悪の組織を壊滅させ

悪の組織に所属している間違った人間を正すために

正義の味方に毎年のように色んな依頼をする人間になった


世界平和では無く。

自分の所有する企業と従業員、企業のある国の

平和のための色んな依頼を。

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