転生してステータスを見た。あの女神は戦犯だと思う
次に目を開けた時抱えられてる感覚と見下ろす2人の大人の姿があった。多分母親と父親だろう。
「この子にはどんな名前をつけるか考えてくれたかしら?」
「うーんそうだな...アヒムなんてどうだ?」
「あら、良い名前じゃない」
今世はアヒムという名前のようだ。...あれ?なんで俺両親の言葉が分かるんだ?
『転生初日だけ私が翻訳してあげてるだけです。ちゃんとこの世界の言葉も覚えてください。』
そんな女神の言葉が聞こえてきた。どうにも明日以降は言葉を覚えないといけないようだ。
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そして5年くらいの時がたった。うん。そもそも0歳から5歳までをいちいち書く気にはならない。まあ流石に言葉は大体覚えた。少なくとも専門用語が出てこない分には喋れるし書くのは幼なじみになった元貴族の子供である幼なじみに教えて貰った。
「おーい!アーヒームー!」
五月蠅いのが来た。今来たこの金髪ツインテールに青柳色の眼をした少女はエルマ・ガーフィールド。幼なじみでもあり、かつての貴族の娘だ。まあ貴族としての位を失ってから生まれた子供だから貴族っぽさは欠片も見当たらないが
「元気な奴だな」
「むしろ同年代だとこれくらいなきがするんだけど?」
そりゃそうだろ。こっちは他より20年ちょっと年上なんだから。...精神年齢は。
「そういえばあなたのステータスってどんな感じなの?」
「あー...あれどうやるの」
この世界にはステータスとかいう概念がある。俺には「ステータス」って言ったらなんか出てきてそれを見てるように見えた。試しに「ステータス」と言って見たが何も起こらなかった。なんやねん。
「えーとねー...ちょっと手を貸して」
「まあいいが」
「大人ぶった口調で喋る子供って周りからみてちょっと変に見える」
「周りの目を気にするつもりは無いな」
変なところに突っ込まれたが俺は素直に片手を差し出した。するとエルマは俺の両手を掴んだ。...差し出さなかった方の手を腕ごと無理矢理引っ張られたんだが?
「たしかこうやれば魔力が活性化するとか言ってたはず」
「おっ?おお?」
なんだ?この何かよく分からない感覚は?
「この状態でステータスって言ってみて」
「ステータス」
俺の目の前にステータスの書かれたボードが現れた。
「これはお前にも見えるのか?」
「いーや?鑑定っていうスキルがあれば見れるらしいけど失礼だからやめなさいってお父様とお母様に言われたから使ってない」
つまり鑑定スキルを持ってるわけだ。ステータスを見てスキルがあるのは分かったが...おい女神何してくれてんだ。普通こういうのはあんたが教会とか経由でするものだろ。
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名前:アヒム 種族:人間 職業:勇者
レベル:1
HP321/321
MP240/240
SP125/125
筋力134
耐久121
敏捷142
器用223
職業スキル
鑑定Lv.1 身体強化Lv.1 思考加速Lv.1 五感強化Lv.1 収納Lv.1 探知Lv.1 精霊使役 闇払い 聖剣遭遇率上昇 マップ表示 精神強固 スキルマスター
固有・種族スキル
全属性魔法適正 転生の特権
スキル
称号
転生者 女神に選ばれた者 老獪なる若き者
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...職業って生まれた時から決められるものじゃないはずなんだ。称号を見てたら分かった。
称号[女神に選ばれた者]:女神に魔王を討つ使命を与えられた者。職業勇者を生まれた時点で入手する。また、女神からの信託を受ける事がある。
あの女神クソすぎんか?
「あっ私お父様に呼ばれてるからそろそろ帰るね。ばいばーい」
「また今度」
...これ親に言った方がよさそうだな。
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「...ほう。あの転生者が勇者か...」
奥が真っ暗な洞窟の前で黒髪のロングに血に染まったような真っ赤な目をした少女がぽつりと呟いた
「となると少々躾け...いや教育をしてやろうかのう?」
その見た目に一切似合わない老獪な口調をしながらその少女はその場から消え去った
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「ところで其方等もいつまで覗いておる。ここで終わりじゃ終わり」
うん。拙い。