一話 安心安全、だが、空を飛ぶお掃除ロボット
「ま、すた…、ます、たー、マス、ター」
誰かが俺?を呼んでいる。だが、マスターはふざけすぎだろ。
「マスター、マスター、マスター」
…だから、マスターはふざけすぎって…
「マスター」
だから、それ恥ずかしいんだって、もう言うなよ…。
「マ…」
「うるせぇぇ!それ以上言ったら、なぐ…は?」
俺は本気で言った。別にその人が可愛く、決意が揺らいだわけではない。
だた、俺を《マスター》と呼んでいたのが、人間ではない事に、俺は驚いた。
正直混乱してる。何せ、ロボットが宙を飛んでいるのだ。プロペラが回っている様子もない。そもそも、存在しない。
「お前…誰?」
混乱のあまり、俺は正体不明の物体に話しかけた。いや、自分だって馬鹿だとは分かっている。だけど、分かる訳ないじゃん、俺は普通の高校生だったんだし。
「私はマスターのお掃除ロボットです」
感情の無い声でそう言った。
「は?お掃除?」
今、お掃除ロボットって言った?バイトを掛け持ちしてまで、去年やっとの思いで買った。あの、お掃除ロボット?
「いやいやいや、なんで、お掃除ロボットが浮いてるんだよ!明らかに、掃除出来ねぇじゃねぇか!」」
「マスターが目覚めた事により、現在、マスターに起こっている状況を説明します」
「あ、ハイ。お願いします」
だが、最も知りたい状況を説明してくれるらしいので、俺は、猫型ロボットもいるんだし、飛行お掃除ロボットもいて、不思議じゃないでしょ。
と、激論で纏め、状況を説明してもらうのだった。