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僕は吸血鬼  作者: 毬森藻
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 僕は今、中学3年生だ。そしてもうすぐ卒業式。小学校から今までの9年間。結構苦労したよなぁ。別に、虐められていたとか勉強がとんでもなくできなかったとかいう訳じゃない。ただ、僕にとって通学は常に死と隣り合わせだった。なぜかって。それは僕が吸血鬼だから。


 幼稚園に行かなかった僕は小学校で初めて親族以外の人とかかわりを持った。しかし友達ができるのにはさして時間はかからなかった。それは、子供ながらの無垢さ無邪気さもあるだろうが、僕自身の格好も影響していただろう。何しろ僕の格好は、ほとんどテルテル坊主みたいなものだったから。

 吸血鬼の特性上、陽の光に触れてはいけないとはいえもっとマントについて考えるべきではなかっただろうか。

 今更だがあんな格好をしていながら泣き出す子がいなかったものだ。何かとうちの学年は肝の据わったやつが多いのだ。

 ちなみに、当初真っ黒だったテルテルマントだが、2年の時にすれ違った新入生に大泣きされて、真っ赤なテルテルにした。しかし、何度か似たことを繰り返し、5年の時に動物の着ぐるみをすることで落ち着いた。テーマパークに行けなくなった。

 中学からは学ラン+目出帽+手袋スタイルになった。銀行に行けなくなった。

 

 昔のこととをおもい出すのは意外と楽しいものだ。もうすぐ高校生なのだし、今までの思い出でも整理してみようか。

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