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僕は悪者? 空 自由と民主主義そして正義のために

「僕は悪者?」 5・3・15                          30


 街を歩いているとスーツを着たおじさんがやってきて

「君の仕事は何?」と訊いてきた。

「町工場で機械の部品を作っている」と答えると、おじさんは首を振り、

「そんな仕事、いつ潰れるかわからないよ! 今からは資格をとって、いい会社へ転職しなきゃあ!」と言ってカタログと名刺を置いていった。

 家で本を読んでいると、化粧をばっちりきめたおばさんがやってきて、

「お客様は今、どのような金融商品を持っていらっしゃいます?」と訊いてきた。

「郵便貯金だけしている」と答えると、おばさんは驚いたようで、

「今からは投資ですよ! 投資! 若い人がチャレンジしなきゃあどうするんです」と言って、カタログと名刺を置いていった。

 喫茶店で友だちとコーヒーを飲んでいると、友だちが、

「彼女とどこまでいった?」

と訊いてきた。

「今度の日曜日、彼女と動物園でデートするのだ。彼女のつくった鶏のから揚げは美味しいんだ」と答えると、友だちは軽蔑の眼差しで、

「お前は小学生か! この本読んだら、すぐ彼女を落とせるぞ」と言って、カラフルな表紙の本を置いていった。

 僕は今の仕事が好きだし、お金にもそんなに困っていない。

 彼女はおとなしいけれど、とてもやさしくて、二人で歩いているだけでとっても幸せな気持ちになる。

いったい、僕は、何か悪いことをしているのだろうか?


「空」 5・3・25                             31


満天の星々

冷たい光が降り注ぐ

手を組み合わせ

祈る

僕の意識は

空高く

かけのぼり

この惑星を見る

無限に広がる漆黒の海

けれど

僕は孤独ではない

僕を包むものは何だ!

青き星よ

君が僕に語りかける

赤き光が僕を照らす

僕は海の香りをかぐ

僕は緑の風を感じる

僕は大地の確かさを見る

僕は命のひとつひとつを見る


僕を中心に

宇宙は回っているのだ


「自由と民主主義そして正義のために」 5・3・17               32


目つきの悪い男がいたので、そいつをぶん殴りました。

それは良いことをしました。

盗みをはたらこうとした女をナイフでブスリと刺しました。

盗難防止です。

人を襲おうとした奴をピストルで撃ちました。

正当防衛です。

他国を侵略すると思われる国と戦争をしました。

国際平和の為には当然のことです。

永久に争いごとを起こさないために、核兵器を使用しました。


自由と民主主義そして正義のために

すべては

自由と

民主主義

そして

正義の旗のために



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