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12月の雨 2012.12

 12月になっても雨が降っていた。

 アーケードの下を歩く人たちは皆急ぎ足だ。

 喧噪のなか、耳障りな声が僕の耳の中に飛び込んできた。

 僕はその声の発生源に目を向けた。

 数人の女の子たちがプリクラの前でたむろしている。

 彼女らは皆、輝く茶髪で同じようなファッションに身を包み笑合っていた。

 彼女たちと僕の物理的な距離は10メートルもない。

 だが僕と彼女たちの本当の距離は果てしなく遠い。

 僕が彼女たちに歩み寄ったとしても、決して彼女たちの場所に辿り着けない気がした。

 それは彼女たちと僕との年齢の差だけが原因ではない。

 彼女たちの派手なファッションに僕が警戒しているということでもないだろう。

 僕がどんなに優しく声をかけても、

 決して彼女たちに僕の声は届かない。

 同じ国に生まれて、同じ場所に存在しても、

 交わることが不可能な人間はいるのだ。

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