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幼き子たちの物語 涙 マイホームパパ どこへ 砂浜

幼き子たちの物語」 5・10・28                      51


慎ましくも楽しい夕餉の食卓に

自由と正義のミサイルが炸裂する

自分の命がなぜ消え去るのかもわからない

幼き子たち

理不尽な人生の遮断

歴史の闇に埋もれていく

僕らは

あきらめをもって星空を見上げる

だが

語らなければならない

世界の影にある死を

物語として

完結させなければならない

僕らは

震える胸の内から

ほとばしる

血の言葉で

幼き子たちの物語を

語ろう


「涙」 5・10・29                             52


僕の心が汚れているから

涙がこぼれるのか


僕の心が醜いから

美しいメロディに胸が熱くなるのか


なぜ

孤独を求める

お前の弱さは見抜かれているのに


深い心の底にあるものが

最終的には

純粋であることを願う

流れる涙は

真実でなければ

僕にとって真実でなければ

どうして

生きてゆけるのだろう


「マイホームパパ」 5・11・7                        53


戦争で

敵国の女や老人や子どもを

たくさん殺しても罪にはならず

そればかりか

勲章をもらっている

ミサイルを落とせば

自分の手を血で汚すこともない


そんな兵士が

家では優しい父親なのだ

戦争が大好きな国では

人殺しが

そこらじゅうに

うようよいる

神様の目には

血塗られた手をした人間が

大勢映っている

最後の審判で

彼らは許されると思っているのだろうか?

それとも

自分は人を殺したとは思っていないのだろうか?


「どこへ」 5・11・14                           54


僕の物語は終わっている

ずっとほしがっていたものを

手に入れ

そして

それよりも愛すべきものを

見つけ

手に入れた


しかし

物語は終わらない

生は

僕を

どこへ導くのか?

これ以上の

喜びが

安らぎが

魂の震えが

あるというのか


「砂浜」 5・11・14                            55


君の素足に

波が寄せる

砂が金色に反射し

僕は

君の素早い動きに惑わされる



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