死 老い 生きることの意味 白日夢
「死」 5・3・18 33
僕は死ぬ
100年後には確実に死んでいる
僕は死ぬ
50年後にはおそらく死んでいる
僕は死ぬ
30年後には死にかけている
僕は死ぬ
10年後には死んでいるかもしれない
僕は死ぬ
ひょっとすると明日の朝
目覚めないかもしれない
何も見えず
何も聞こえず
何も嗅ぐこともできず
何も考えられず
何も感じられず
死ぬとはそのようなことなのか
では
なぜ生きているのだろう
永遠の死はあっても
永遠の生はない
突然訪れる死
徐々に迫りくる死
死を見続ける者達の
声に耳を傾けよ
その声を聞くことでしか
生きる術はない
「老い」 5・3・18 34
生きていくことに
消耗する
息をすると
疲れ・・・・・・
豊かな山並みが
視野に入ると
嘆息する
生は間違いなく
死に向かっているが
時を経るごとに
命が削られていく実感があるのは
年老いた証拠なのか
「生きることの意味」 5・3・? 35
生きることに意味がある
勉強ができなくても
走るのが遅くても
歌が下手でも
生きることに意味がある
仕事がテキパキできなくても
女の子にモテなくても
友だちからバカにされても
生きることに意味がある
一週間に一度も嬉しいことがなくても
誕生日に誰も祝ってくれなくても
哀しみに押しつぶされそうでも
生きることに意味がある
朝陽は君を照らし
あたたかな風が吹きぬける
君を愛する人は時を待ち
君の為に涙する人たちとめぐり逢うだろう
やわらかな雨は君を包み
星々の光は祝福しているのだ
生きることに意味がある
「白日夢」 5・4・? 36
気がつくとテレビの画面を蹴っていた。
ジッジッジッと変な音が聞こえた。
こいつはいつもいつも下品な音を垂れ流し、馬鹿面をしたタレントたちが騒いでいるのを、映していたのだ。これで知ったかぶりの主張がくるくる変わる評論家の顔を見なくてすむ。
次はデスクトップのパソコンにとりかかろう。
そのときドアが開き、女が呆けたような顔で俺を見つめていた。
久しぶりに俺の顔を見て、どんな表情をつくってよいか、わからないようだったので、俺はムカついてとりあえず顔面に右ストレートを叩き込んでやった。
奴は鼻と口から血を流し「ヒィー」と耳障りな声を出し、どこかへ行ってしまった。
どうして、世の中には不要なものばかり溢れているのだろう。
俺の胸の内に怒りが渦巻いているのは、この世界を汚した馬鹿共が、何の反省もなくのさばっているからだ。
ひとつひとつ整理してゆかねばならない。