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なんでもないようなこと

See You Again

作者: 夏野レイジ



「じゃあ、また明日」


 何でもない風に君は言うんだ。

 それがおれにどんなキモチを与えるかも知らないで。


 きみにとっては、クラスメイトのひとりなんだろう。

 ただ隣の席に配置されただけの、一般市民。

 きみとおれじゃ釣り合わない。

 最初はそう思っていたはずだった。


 諦めていた。

 だけど、いつの間にかとなりに座るだけじゃ満足できなくなっていたんだ。

 どうにか話したい。

 このさい他の男子に恨まれたっていい。


 一ヶ月に一度の席替えまで残り少し。


 ちょっとだけでも話そうとして、勇気を振り絞っても、いつもたどり着く前に消えてしまうんだ。

 それでも、今日こそは。


「おはよう」

「お、おはよう]


 そうして今日も、もどかしい一日が始まった。




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