note 自分のこと(2100.5)
ここで、自分のことを客観的に記しておこう。
日小里ショウタ。仲間からはショウと呼ばれる。
実齢18.0才(経験値2.5年)。つまり見かけ15.5才。平均して1年のうち6か月は潜っていることになるな。ケイバーとしては、ランクS。(驚いてくれていいよ)
実家は東京都港区、地下1km街で、小さな温泉旅館を営んでいる。そこの小倅が俺ってわけだ。
ダンジョンデビューはエレメンタリースクール卒業後の13.0才のとき。無謀にも単身で挑み、当然のようにトラブルに見舞われた。
結果的に脱出に成功し帰還を果たしたが、それを得意げに報告したところ、幼馴染であるマリー(マリリンのこと)がへそを曲げてしまう。
彼女、どうやら一緒に、(あるいは自分が先に)デビューしたかったらしい。
マリーは意趣返しか、俺に何も告げずデビューしてしまい――そして帰ってこなかった。
どういう心理状態だったのか、家にパムホを置いて出立してしまった。そのせいで全く手がかりがない。
どこをステージとしたのか? つまり、どこからスタートし、ゴールをどことしたのか? 無数の組み合わせがあり、場所を特定することは限りなく困難。賞金もかけてみたが、ろくな情報も得られなかった。
もうお分かりだろう。
俺が潜り続けているのは、“ゾーンアウト”したと思われるマリーの捜索のためだ。
所属する世界はα。すなわち、この手記を読んでくれてるだろう君、あなたと同じ世界の日本人だ。同意してくれると思う、αは至って特徴のない、平凡な世界だ。そんなんでも、ダンジョンでは人口的に最大勢力だからか、国土、インフラ等、常識的なベースの役割を果たしていると思う。
男性。肌黄。髪黒。瞳黒。
身長1.7m。髪の毛の長さは普通だな。一人称俺。
趣味は、笑うなよ……ポエムさ(笑)。
ヨレヨレの白ワイシャツに、ユルユルな細身の紺タイ。ダブダブの黒ズボン。靴は黒。
服装をキチッとするか、あるいは逆にハダカになればイケメンなのに、という評はチームの裏ボス、エマによるもの。まあ、自分ではイケメンと思ってないよ。そこまで自惚れてないさ。で――
――チーム・ニコリのリーダーやらせてもらってる。
ちょっと自慢めいて聞こえるかもしれんが、チームのランクはSだよ。(驚いてくれていいよ)
そうだね、設立1.5年でこうなんだから、少しは誇ってもいいかな?
かつてはチーム・サタン(やはりS)のメンバーだった。つまり1.5年前、経緯あってそこから独立したのさ。




