note ロイヤルストレートフラッシュ
こんな手記というスタイルを採ってるため、解説が後出しになってしまって申し訳ない。
もう見当が付いている方もいらっしゃると思うが、“ロイヤルストレートフラッシュ”とは、チームのメンバーが、αからλまで、七つすべて揃っている状態のことをいう。
(※10世界当時においてはαからκまで。かつてのチーム・サタンが代表例)
それがどうしたという声が聞こえそうだが、その通り。とくにボーナスなどない。
巷では「完全形」とか「ミラクルサーカス」とか囃し立て、落体の循環になぞらえて「なにか不思議な力がチームにもたらされる」などと真しやかに囀りあっているが、そんなことはない。そんなの「茶柱が立つ」レベルの迷信である。ただチームの対外的なイメージがよくなるだけ。“格”が(勝手に)あがるだけである。
実際、人の相性、好みで組を作るのがほとんどだ。たとえばメンバーを単世界で揃え、羽織・袴のコスチュームに左腰の日本刀。そんなガールズチームを見たことあるよ。そんなもんだ。
さて、ついでにだ。
こんなこと考えるなんて小賢しい。かえって庶民くさいと評されてしまいそうだが、まあ聞いてくれ。
俺だけが抜けた後。それも直後の歯抜けの状態のとき。
トノがリーダーシップを執れば、うまくチームが機能すると思うんだ。監視役のエマが上にいるし、アキラとは一つ空いていて“すくみ”の呪いは発動しない。つまり最下位のリーダー。これけっこう理想的な構成になってるじゃないかと思うんだがどうだろう?
(むろん、その後のことは新リーダーの裁量にお任せだから、新メンバーが入隊したらどうなるのか、だろうけれども。そこまで俺は責任とれない)
え? 一人になってどうするつもりかって?
もちろん――




