note ダンジョン (3)詳細と名称、あとキャンセルについて。
その構造をもう少し詳細に、かつ正式名称を交えながら解説してみる。これは現代において、エレメンタリースクールで真っ先に叩き込まれる知識でもある。
スタート地点の海岸線から、任意の方向に歩き始めたとする。
50m(一定値)歩いたとき、そこで“方向”が、平均によって決定される。(ジグザグに歩いても均して直線にされるということ)
この50m区間を、“渚”と称する。
直線の延長線と当たる“向こう側の渚”がゴール地点と認定され、スタート~ゴール間の距離が決定される。
その直線を“センターライン”とする、一定幅のエリアが設定され、このエリアを、“セーフゾーン”、単に“ゾーン”と呼称する。
前ページの『舗装道路』のイメージを思い出して欲しい。それがゾーンだ。
仮に直線距離を100kmとする。
すると、その幅は5kmであり、この道幅のことを“マージン”と称す。
スタートして2.5km地点で異空間に突入。これを“ワープイン”と俗称する。
ところで――
もし、ワープインしたくなかったら?
日本人なら誰しも、渚から歩き始めてしまったら、異空間の発動を拒むことはできない。できないのだが、発動したものをキャンセルすることはできた。どうするのか?
ともかく――50m歩き出よう!
その直後に90°進路を変え、形成されてあるはずのゾーンを、現世にいる間中に、横に出てしまえばいいのだ。
現世でわざと“ゾーンアウト”する。これで全ての法則が目出度く解消される。
今では高性能のアプリが開発されてあり、方位・距離は即座に測定、報告してくれる。最適な避難ルートもだ。それに従えば、ほぼ100%問題なく回避できるのだった。
では。
キャンセルせず、先へ進んだらどうなるか?
そこからはもう、冒険者、勇者、旅人と呼ばれる人種たちの領域になる。




