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note 山の形
正三角形を山と考えてみよう。あなたは今、その右端の麓にいる。角度60°の山肌を登り、苦労の甲斐あってみごと頂点を足下にする。転げ落ちないよう注意しながら下山し、ぶじ左端の麓にゴールする。大成功だ。おめでとう。
こんどは、正三角形を反時計回りに、30°傾けてみよう。すると斜度が浅くなり、あなたは楽々、頂上に立てるだろう。だがそのあとが問題だ。
左辺、90°となった山壁を、あなたはどうにかして降下しなければならなくなるからだ。これは何を意味するのか?
罠。すなわち、左端から右端に戻るのは、きわめて難しいということだ。




