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第7話 イケメン教師にはきっと裏の顔がある

「英語の前田先生ってカッコいいよね~」


「それに東大卒なんだって。すごく頭もいいから」


「でも頭の良さを鼻にかけていないところがさらにいいよね」


「あ、やみこ」


 休憩中におしゃべりしている友人グループの横をやみこが通る。


「ねえ、やみこはどう思う?」


「……なんのはなし」


「英語の前田先生、カッコいいよねー、っていう話」


「前田先生……」


「あれ、やみこはあんまり興味ない感じ?」


 そのとき、やみこの顔がとつぜん青ざめた。そして、がたがたと唇をふるわせる。


「あ、えっ、やみこ……?」


「ダメ……前田先生はダメ……」


「ちょ、ど、どうしたの? 前田先生がなんでダメなの?」


「あの生徒を射ぬくようなまなざし――あの教師は、きっと私たちの心が読めるに違いない」


「え」


「いつも問題を答えさせようと当てるふりをして、その瞬間に私たちの学力を読み取っているの。そしてあいつはほくそ笑むんだわ。『ああ、こいつらやっぱり僕よりバカだ』って。そうやってひそかな優越感に浸ることがあの教師の最上の喜びなの。優しい笑顔にだまされて、私たちはナルシシスティックなあいつの本性が見えなくなっているだけ」


「警戒するにもほどがあるよ、やみこ……」


「そんなことない。だってあの教師、いつも意味不明の言語で話してくるじゃない。『はうどぅゆうどぅ』とか『ないすとぅみーちゅー』とか。どうせ分からないだろって、私たちをバカにしている証拠よ」


「そういえばやみこ、英語、すごく苦手だったよね……」


「前田先生、顔はタイプだけど性格が恐いからムリ。そして次の授業は英語。帰る」


「あ、待って! 結局タイプなの!?」


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