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第6話 エンターテイメント空間は危険がいっぱい

「やみこ。今度の土曜日、由樹と愛海といっしょに三橋のグランドワンで遊ぶんだけど、いっしょにこない?」


 放課後。

 帰り支度をしていたやみこに、友人が話しかけた。どこか警戒した顔つきになるやみこ。


「由樹と、愛海」


「うん。二人とも、やみこと遊んでみたいって言ってたから、心配ないよ。予定ないなら行こ? ぜったい楽しいよ」


 友人の言葉に、なぜか青ざめるやみこ。


「グランドワンって、スポーツとかゲームとかができるところでしょ」


「そうそう。複合エンターテイメント空間、っていうのかな」


「――でも、複合エンターテイメント空間っていいながら、危険なものがいっぱいある」


「危険なもの? そんなのないよ。私もよく遊びに行ってるけど。ボーリングとか、バスケットボールとか、そんなのだけだし」


「気づいてないだけ。私にはわかる。ヤバい危険が危なくてデンジャーなの」


「なにそれ……。じゃあ例えば、ボーリングは?」


「球が重すぎて落としてしまって足の指を骨折するかもしれないからダメ」


「じゃあバスケは?」


「投げたボールがゴールのリングにあたってはね返ってきて私の顔面にあたって鼻を骨折するかもしれないからダメ」


「じゃあテニスは?」


「スマッシュされたボールが私の顔面にあたって鼻を骨折するかもしれないからダメ」


「じゃあ卓球は?」


「ボールを打とうと必死になるあまり足をすべらせてテーブルの角に顔をぶつけて顔面骨折するかもしれないからダメ」


「じゃあローラースケートは?」


「よそ見している人が私の後ろからぶつかってきてお互い骨折とかするかもしれないからダメ」


「じゃあロデオは?」


「乗っている人がふっとばされて見ている私にぶつかって大惨事になるかもしれないからダメ」


「じゃあカラオケは?」


「ダメ」


「やみこ、いつもながら考えすぎだよ……」


「私はみんなの方が分からない。なんであんなに危険が潜んでいるところにわざわざ喜んで行くの。帰る」


「あっ、いいけどダメ!」


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