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第4話 イヤホンで洗脳されるかもしれない

「止まりたい♪ でも止められないよ♪」


「……ねえ、なに聴いてるの」


 昼休み。

 イヤホンを耳につけ、スマートフォンをいじっていた友人にやみこが訊ねた。驚く友人。


「えっ。やみこ、音楽には興味ないんじゃなかったの?」


「……私もそろそろ人並みの趣味を見つけようって、思ったの」


「へえ、意外……。あ、ううん! やみこだって努力してるんだもんね! じゃあ、これ聴くといいよ。 すっっっごくいい曲だから」


「なんていう曲」


「『ユメノミライ』っていうの」


「ゆめの……ちょっと聴いてもいい?」


「うん、もちろん!」


 そう言って友人は左耳のイヤホンをやみこに差し出した。

 だが受け取ったやみこは、白と桃の二色デザインの丸いイヤホンを見つめたまま、一向に耳につける気配がない。


「どうしたの、やみこ。はやく聴かないと、曲終わっちゃうよ」


「……やっぱりダメ」


「えっ」


「咲が聞いていたのはじつは曲じゃなくて、他人を洗脳するための記憶操作音だったら」


「……はい?」


「このイヤホンをつけたとたん、私の耳に『キーン』っていう音が聞こえて、そのとたん、私の意識が消えるの。目覚めた私はすでに記憶を改ざんされていて、この世の全ての中学校を支配するあくのそしきの忠実なるしもべになっているの。教師も生徒も思い通りに動かせる理想郷、『ユメノミライ』を築くのだ、わはは、って……」


「や、やみこ。私の大好きな曲をおとしめたのはなんとか許すけど、やっぱり考えすぎだよ……」


「私はあくのそしきには加担できない。帰る」


「あっ、だからなんで帰るのっ?」


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