表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
78/82

level.77 “びっくぼす☆ばとる” の はじまり と おわり。

「おりんちゃーーん!」

「その声は、ポチ殿か? そうかよかった……無事だったのだな」



 私が到着した時には、このエピソードの最終戦が

 既に始まっておりました。使命から解放されて、

 後ろで楽しく遊ぶカワイイ子豚ちゃんの相方(は、サクッと向こうで倒れております)ではなくて、許されざるモノ――

 陽幻(ひげん)殿との、『超』ビックボス☆バトルでございます。



「これほど力の差があるのか、おりん様。設定されたステータスの上限値を取り去った、ルールの外に身を置く私と互角とは……つくづく、あなたの強さには呆れる。さらにクラスチェーーーンジすれば、もう一段階能力が増すのでしょうな。なんとも羨ましい。あなたと私の間には“決して越えられない遥かなる巨壁”が存在する――この覆せない事実が、私はとても憎らしい」


「くだらぬ。越えられない壁など存在しない。それにお前には、立派な翼があるだろう。どんな障害もひとっ飛びだ」

「綺麗事です、その理屈ッ」



 ぶつけております。陽幻殿が、ぶつけておりますな。



「あなたは、いつもそうだ! 耳触りのイイ言葉を好んで使う! しかしそれでは……それではダメなのです……私たちは、あなたのように強くない。だから欲しくなる! あなたのように強く、誰より美しくありたいのに! あなたが居なければ、こんな感情など生まれるはずもなかった!」

「ならば、なれ。ステータスの上限を決めるのは、お前自身だ」

「だから私は、あなたの前に居るのです! ――覚悟しろ、モーリングッ!」



 まるでその様子は、あの時の若者のように。



「あなたに結局は誰も付いてこない。付いていけない、理解ができない、だから心の底から従えないッ! 今だって、あなたは“独り”で私の元へ来た、あなたのとなりを歩けるモノは、もはや誰も居ないんだ!」


「私の後を追わずともよい。持って生まれた崇高なる信念に、痛いくらいに突き動かされて、我らは世界に()るべきだ。この無茶苦茶なイベントで、そんな簡単なことに気付かされた」






「誰かを動かすのではなく、自ら動くのだ。だから陽幻、我らは決して、操り人形などではないぞ」






「そんな言葉、もう聞き飽きた!」


 決着の時が訪れます。

 陽幻殿が、おりんちゃんの前で崩れ落ちました。



「なぜ……そんなにお強いのか……最後にそれだけ、お聞かせ願えませんか……?」

「ポチ殿。あなたに預けた『幻の聖なる油アゲ』を、そこの青色の炎にくべてくれないか」


 え。


「な、なんと……! 今、なんと申されたのか……?」

「だからギトギトしたソレは、私に必要ないと言っている」


 必要、ない? 


「あ、あなたは、さらに強くなれるというのに、そのチャンスを簡単に捨て去ってしまうのですか!」

「いらぬ」


 コレが……必要ない? 

 ということは、ムダ? 


 会社にとって、ムダは削減されるべき絶対悪。



 ――ええーっ!



「いやいやいや、ダメダメッ! メッです、メッ! 考え直していただけませんか? だってコレ、おりんちゃん! あなたがもう一段階強くなるために必要な、コレは『超』貴重なクラスチェーーンジ・アイテムでしょうが」

「何度も言わせないでほしい。その油っぽい『物体X』は、サッサと燃やしてくれ」



 焼いてほしいと無茶な注文を受けるとは思いませんでした。

 「焼きオアゲが私は好き」とか、

 そういう楽しいジョークではありませんよね? マジすか。


 じゃあ……。


 その……ご指示通りアッサリと、ポイッとな。

 おお! 炎上しております、やはり大炎上しておりますぞッ! 

 後悔しても過ぎし時は戻りません。

 さらばオアゲ。幻と消えるがよい。



「見せてやろう陽幻。そのままでも強くなれることを。だから、まだイクことは許さん」

「この私を……お許しになるのですか……? 私は数えきれない過ちを犯しました……おめおめと生き恥を晒すなど、出来そうにありません」

「お前はルールの外に身を置いたのではないのか? 何度も私の前で宣言しただろう。都合よく使い分けるな。――いいか、“お前”は“私のモノ”。徹底的に、ボロボロに擦り切れるまでコキ使ってやる。お前の権利など完全ムシだ。まるでゴミのように見てやるぞ」

「あなたには、やはり敵いませんな」



 まさか、これほどとは。


 モーリング支店長――ポチ、あなたに感服いたしました!



「勘違いするな陽幻。私は、ムダをなにより嫌うだけだ。それでは“次のモノ”、入れッ」



 まだあった……『次へ』ボタンを叩け叩け! 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ