level.75 〈魔物〉 が あらわれた!!!!
ダークなホールが、だらんと崩れ落ちる《???》の真ん前に、
ふたつ出現いたします。
「グゴゴゴゴ」
よし。邪魔しちゃいけない登場シーンで、
手持ち無沙汰な空き時間を利用しない手はないッ!
「おりんちゃん、さあコレを。お預かりしていた“オアゲ”です」
「い、“今”か! イヤ……そ、それはいくらなんでも……それにちょっと今は取り込んでるし。だだだ、だって、まだ心の準備があ!」
急に『!』が多くなりましたな。
顔が赤くなるのはなぜ? しかしこれは急いだ方が正解。
ぬるっ。
私の後ろポケットから、偉大な臭気を放つ『物体X』が再登場。
「ほらほらッ! はやく食べて、おりんちゃん! すぐすぐクラスチェーンジッ!」
「いや、そうじゃないんだポチ殿。確かにそのギトギトした“オアゲ”を私も口にするのだが、それには正式な作法があってだな。私だけではダメなのだ……そのォ(チラリ)……だから私とポチ殿がそのォ(チラチラ)……ええい《猫男》め! なんと恥ずかしい! ちゃんと伝えておかなかったのか! なぜ肝心なことをアイツは(くどくど……)」
「これは驚きました。最近の若者たちは、そういったことはサッサと済ませているモンだと思っておりましたが、まさかまだ……? さすがの箱入り娘ぶり。とっても奥手な、おりん様が甘酸っぱいモノを抱く相手は……なんと申しますか、こちらも驚き。それより本当に『狐一族』なんですか、あなた? でもそんな、爽やかなスクールラブは私の前でさせませんけどね」
「な、なにを申すか陽幻! す、スクールラブ……❤なんて、なんて究極に恥ずかしい響き……しかし抗い難い不思議な魅力がある。くっ、こんな心の葛藤は初めてだ!」
大きく息を吸い込んで胸を膨らませる陽幻殿、
『幻の聖なる油アゲ』を差し出す私めがけて、
ネットリと粘着性を帯びる青色の炎を吹きかけます。
「おりんちゃん、危ない!」
ポケーっとする、おりんちゃんを、寸でのところで向こうへドン!
すってんころりんサア大変。彼女の変化が解けますな。
〈ニンゲン〉の姿の『超』美少女から、
フサフサ尻尾がふわりと伸びる美しい女狐へドロン!
「ポチ殿!」
「げげげ」
私と彼女の間を完全にバッサリ分かつのは、
ネットリこびりついて離れない青い火柱。
まるで嫉妬するかのように、ごうごうと燃え盛っております。
「モオオオオオ」
「ブウウウウウ」
二か所のダークなホールから〈マのモノ〉――ではなくて、
〈魔物〉がズズズと急きょ出現!
おりんちゃんのサイドに巨大な牛、私のサイドに鈍重そうな豚。
両者共に『超』ビックサイズの木槌を両手に抱え、
似たり寄ったりの恐ろしげな顔つきをしています!
「《牛鬼》と《豚鬼》、その邪魔モノを叩き潰せッ!」




