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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
73/82

level.72 “きゅーこーしゃ” が あらはれた!!

【迷いのまの森】・最深層――

 【迷いのまの森】支店前。



「ようやく帰ってきたか。皆のモノ、無事であるか?」

「おおー」

「……さすがは『狐一族』である。カラ元気でも心の底から誇らしく思うぞ」



 幸いなことに脱落者はおりませぬ。

 お稚児部隊は丁重に、お福部隊のたくさんの『らぶぱわー』に守られて、

 まだまだ元気いっぱい。

 しかし当のお福部隊は、一転して憔悴しきっておりますな。

 執拗な《枯草猿(ふらわーえいぶ・どらい)》の遠距離攻撃(乾燥しきった、

 恐ろしく固い物体を投げる)を完全『しゃっとあうと』した彼女たち。

 精も根も尽き果てたように見えます。

 ですが、それよりも一族の若衆たちの損耗が、

 目も当てられないほど激しいですな。



「おお、《窮鼠(きゃっとかじる)》にやられた尻がまだ痛い。俺がなにをしたと言うのだ。滅多に姿を見せない《窮鼠》が六匹同時に出てくるなんて、ありえん。〈にんげん〉だったら泣いて喜ぶ『しちゅえーしょん』だが、俺にとっては泣くに泣けない最悪の『しちゅえーしょん』だぞ」



 あれだけ『ちーと』的に強い親友も、やはり無事ではなかった様子。

 大きくて堅そうなお尻が《窮鼠(きゃっとかじる)》に何度もぎりぎり齧られて、

 真っ赤に肥大化しております。おお痛そう。


「アタイもだからね! ゼッタイ忘れないでよッ!」


 こちらにも被害者がおりました。

 《りとる・うぃっち》が存在感を出すために、

 とうとう『かたかな』を自然に使い始めます。とりあえず今は無視で。


「ゴラア、ポチッ! アタイを完全ムシすんな!」






 緑が鬱蒼と生い茂る、深遠なる夜の闇が支配する森の中に、

 急きょ出現した古びた“旧校舎”――


「きーん、こーん、かーん、こーん」


 どこからか流れてくる、いつかのもの悲しい効果音(着ぼいす)が

 【迷いまの森】に響き渡ります。月明かりに妖しく照らされて、

 がらんとした放課後の旧校舎は、

 加速度的にその不気味さを増していきます。



 出そうでございます。



「アタイ、こういうのダメ……そこに今なんか居たァ! ポチサマーーー!」



 よしよし可愛いやつめ。

 なんて、にやけている場合ではありませんぞ。



 またまたまたまた、お約束なあの展開――なんとなんとぉ、

 目の前にはやっぱり、やっぱりやっぱり(またかよこんちきしょうめ!)

 不気味な旧校舎を背景に、たくさんの気配がお出ましだっ! 




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