表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
72/82

level.71 “すいこーしゅう” が あらはれた!!


【迷いのまの森】・第四層――

 水属性〈まのもの〉担当警備区域。



「私の前に、立ちはだかろうとするのか」



 若い女子社員が、森のあちこちに潜んでおります。

 こちらの動向をじっと窺い、片時も集中を切らしません。

 この事実だけを読み取ると、恐ろしく『はーれむ☆ぱらだいす』的な

 男型なら誰もが憧れてしまう夢の状況。


 しかし、うはうは、とはいきません。

 引き締まった表情から漂わせる彼女たちの雰囲気は、

 痺れるほどに我が心に強く訴えます。



「味方しろ、とは、今は言わない。お前たちも立場があるだろうからな。だから、なにもするな。黙って我らを通せ」



 その女子社員、もちろん面識があります。

 責任感が強く、風紀にもうるさい几帳面な彼女。


「《犬女(うーわん)》」


 長い茶色の垂れ耳が、おりんちゃんの声に敏感に反応して

 そこかしこで動きます。



「あの頃のように、とは、いかないか」

「どちらが正しいかなど、私たちに決められるはずもありません。ただ、守るだけ。与えられる規則を守るだけにございます。私たちは〈衆長(おさ)〉の方針に従うと全員で決めました」


「ならばよい。後悔せぬよう、その道を信じて突き進め」


「ですが……おりん様のお美しいお姿を見ていると、固く誓ったはずの決心が揺らぎます。もっと別の選択肢があったのではないかと、情けないことに、私たちは疑ってしまうのです」


「それでよいのだ《犬女(うーわん)》。お前たちの選択は正しい。我らは本来、“そういう存在”であった。疑うこともなく、黙って定められた仕様に従っておった。しかし、それでいい。我らは、なにかにつけて意味を見出そうとする〈ニンゲン〉とは違うのだ」



 ほう。

 〈にんげん〉とは違う――おりんちゃんが出した、その答えはいかに?


「我らは」


 ふむふむ。


「〈マのモノ〉だ」


 でしょうな。ですが誰がどう見ても、

 今のあなたは〈にんげん〉の『超』美少女。

 『超☆絶』美少女ですぞっ!


「以上」


 ずっ(こける、振りをする私)。

 おっと。『ぷろふぇっしょなる』仕様のこの森では、

 それは洒落になりません。もしも倒れでもしたら、みなし判定の結果、

 お預かりした『幻の聖なる油あげ』が消失する恐れがあります。


 あぶっ、危なぁ!



「信じた道を互いに進もう。迷いを捨てろ、さすればカラダは軽くなる。来い」

「おりん様、あなたに激しく嫉妬しております。私たちはどうして……

 ああああああああっ!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ