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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
71/82

level.70 “ぼっこーしゅう” が あらはれた!!

 【迷いのまの森】・第三層――

  木属性〈まのもの〉担当警備区域。


「うっききききき」


 あ、あなた……。


「ききききき」

「《花草猿(ふらわーえいぶ)》……あなたは《花草猿(ふらわーえいぶ)》じゃないですかっ! どうしてそんな恐ろしい顔をしてるんですか? 【あんぞるごんのあ大灯台】支店で見かけたあなたは、もっともっと元気で、とっても能天気な〈まのもの〉だったじゃないですか! あんなに頭の上の草花を楽しげに揺らして――ああ、すっかり乾燥しちゃって。そんな《花草猿》は《花草猿》じゃないっ」


「ぎゃぎゃぎゃ、ギギギィ」


 ええーっ! こわっ。


 おどろおどろしい姿だけでなく、性格もかけ離れていた《花草猿(ふらわーえいぶ)》。

 あとで『うぃき』にて確認したところ

 やっぱり彼は《枯草猿(ふらわーえいぶ・どらい)》という、

 まったく別ものだそうな。



「ギギッ、ギギッギギッ(お前を乾燥ポプリにしてやろうか!)」

「ひ、ひえええええ」



「――こっちだ相棒、さあ俺のところへ来いっ」

「びええええん! は、はやく助けてくれい親友ぅぅぅ」

「ぎゃああああ、ぎゃんぎゃん~! いたッちッ」

 


 おっと親友の“天敵”が、がっぶり食らいついておりますな。

 しかし《窮鼠(きゃっとかじる)》、そんなにお尻が好きなのか?

 するとやはり、うちのも……?


 

「痛ったあああ! マジでェ、痛ったあああ!」



 またも『えすけーぷ中』だった、地味なうちのねこ娘。

 こちらは正真正銘のねこ。

 このたび開眼した、発動すれば誰にも気づかれない

 ある意味最強の特殊技能も、

 この《窮鼠(きゃっとかじる)》だけは見破る仕様となっております。

 って、そんなん今どうでもええ。

 とりあえず無視で。

「ゴラア、ポチィ! アタイを完全ムシすんな!」


 

「な……なんとしても倒れる訳にはいきません。『所持あいてむ』が消失してしまいます。《猫男(どらのすけ)》ぇ、お預かりした『幻の聖なる油揚げ』を信頼出来る、あなたに『ぱぁぁぁぁす』!」

「ぎゃんぎゃん、ぎゃーん! だがしかし、確かに俺が受け取ったっ! 相棒、“しかばね”になって良しっ!」



 な、なんて恐ろしいことを……。

 ようやく『きゃら』が確立されてきたところなのに

 容姿変更なんて冗談ではありません。

 家庭崩壊がさらに加速しますぞ。


 

「ああーっ、前ですぞ前っ。《猫男(どらのすけ)》ぇ、前方に《食人木(はんぐりーぼっくり)》があ」

「な、なにーーー!」



 すってんころりんさあ大変。

 ごっちんと恐ろしい速度で《食人木(はんぐりーぼっくり)》に《猫男(どらのすけ)》が衝突いたします。


 ぶっとい幹に人型の跡。こりゃ大事故ですな。

 それを見て、私の心がちょっぴり晴れやかに……。

 って、言ってる場合じゃない。



「立てぇ、立つんだ親友ぅぅ! そこで倒れたら、おりんちゃんの『くらすちぇーんじ・あいてむ』がっ。だから立てぇ、立つんだ親友ぅぅ!」

「分かってるぅ、だがしかし……ばたり」

「おお親友、死んでしまうとはなさけない。これで私たちの苦労が、すべて水の泡に……とほほ」


「どっこいしょーーーーっ!」


 ええーーーっ。

 なんじゃそりゃ。



 倒れてない、俺は絶対に倒れてない。ただ“転んだだけ”。

 なんつう力技……さすが親友。


「ぎゃぎゃぎゃ、ギギギィ」


 げ。すっかり忘れてました。

 やっと私の『たーん』が回ってきたようです。

 

「ギギッ、ギギッギギッ(お前を乾燥ポプリにしてやろうか!)」

「ひ、ひえええええ!」




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