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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
66/82

level.65 “びくとりー ろーど” は かがやいている。

   「待て待てェ! そこの妖しい集団、止まれェ!」




 追いつかれましたか。

 先ほどまで刃を交えていた【〈ニンゲン〉の村】・治安部隊が、

 ぜえはあ息を切らして、堂々と歩みを進める我らの後方に

 せかせかと再登場いたします。



「このまま無事に帰すワケにはいかない。――よく聞け、純朴そうな村人・Aも、村人・BもCも。そこの者たちは人間ではない。今はその姿をしているが、すべて人間に化けた〈魔物〉。そこの可愛い子供も、アノ女もコノ男も、すべて恐ろしい〈魔物〉たち。この村の治安を守る者として見過ごすことはできん。いざ『狐の花嫁』――覚悟!」




「そんなの、俺たちは知っとるわ」




 え……ウソ、バレてたの!

 ががーん!(それを聞いて『超』ショックな我々!)



「だってねえ。最初から『狐の花嫁』って名乗ってたし……」

「だからあの美は犯罪なの。このドロボウ狐! も、もひとつ“あの方”の抜け毛入りのお守りを私におくれッ! アッチじゃなくてコッチの毛よ!」


「なあにィ! じゃあ、あの時俺らが掴んだ大量のカネは、ニセガネ…?」


「わっはっは。当たり前じゃバカ者。そんなお人よしが世界のどこにおる」

「えっ? もしかしてこのお守りも……?」

「わっはっは」



「げげげ」


 あからさまに顔が青くなるお福たち。Bダッシュで逃走を開始。



「善良な一般市民をダマして金品を手に入れるとは……さらに詐欺罪を追加だあ。お縄をたっぷりくれてやるゥ! だから神妙にしろォ!」


「やれやれ……やめんか」



「これは、“お約束”なんじゃよ。それを破る者は愚か者じゃ。こっちも承知で付きやってやるのが、常識あるオトナってもんじゃ。それが分からんお前たちは、ハナタレのガキじゃな」



「な、な、なんだとーー。さっき発言した“ジジイっぽいヤツ”、侮辱罪で俺がとっ捕まえてやるッ、ドイツだ出てこい! お前か、それともお前か! じゃあお前にしようか、ああん!」

「そう言われて、出てくるかバカヤロ。そんな簡単なお約束も分からんのか」

「な、な、なんだとーー。さっき侮辱したヤツも同罪、出てこい!」

「カエレ、カエレ、カエレ、カエレ」



「お、お、お前らーーー、全員タイホだ、タイホするーーーー!」



 なんだか後ろでやっておりますな。もはや関係ナシ。勝手にどーぞ。

 『狐の花嫁』イベントは、これにてコンプリートいたしました。




「おう相棒」

 おお親友。キンニクが邪魔で顔が見えませんぞ。



「あの『契約の証の品』はあるのか?」

「もちろん保管しております。そうだ、おりんちゃんに返さないと」

 ぬるっ。

 なんと私の後ろポケットから、偉大な臭気を放つ『物体X』ご登場。



「ところで、コレなんですか? あんかけのように、ねっとりトロミが付いておりますぞ」

「これはクラスチェンジアイテムだ」

「クク、クラスチェーーンジ! か、カッコイイ……でなんすかソレ?」

「おりん様はまた強くなる。階級がひとつ上がって、美しさは二階級特進だ」



 な、な、ナンダッテー。まだ高みを目指すのか。

 彼女の美しさに限界はない様子……。しかし、この『物体X』は

 口にするのか? 体に塗る? 身に着ける? 

 どれもオススメできません。

 収納していた私の後ろポケットが緊急事態を告げております。


 もうなにも、しまいたくない。



「お、おりん様……」

「ああ。悲しいことに、この『超』展開は慣れてしまった。それで次は?」

「で、ではあ遠慮なくぅ。あ、アレをご覧くださいいい!」



 また重なるハプニング。畳み掛けるようにイベントを消化・なう。

 オナカを壊しそうです。





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