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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
64/82

level.63 よめ を まもるのは わたし…じゃないっ!!


「弱いモノほど、本当によく吠えますなあ。はっはっは」




「なんだお前、見るからに弱そうだ。ケッケする気も起きないぞ。ケッ」

「ポチ殿、いきなりどうされたのですか!」


「心配めされるな、おりんちゃん。これからずっと私のターン。さあ、私の前に現れるのだ。出でよ《リトル・ウィッチ》!」

「あ、アイアイサー……ああ怖かったあ。このまま忘れられたら、どうしようかと。でもオネエサマ、今すぐお助けしますよッ。そのための、こっそりフェードアウト中だったのです」



 激しい討ち入りシーンの最中、

 物陰にこっそりエスケープしていた地味なウチのねこ娘、

 ここで急きょ出現。

 そして出るや否や、細い腕を大きく振りかぶります。



「ここまで来たら、お約束――なんて言わないよね?」

「言いません言いません! それを先に破ったのはあっち。〈マのモノ〉なんか絶対に出ない、いえ、決して出てはいけないホットな生活空間を、その手で“地獄絵図”に変えてやるのですッ!」

「そ……そこまで言わなくても……でも、やるしかないよね? 私がオネエサマを助けるんだ」



「さあ投げろ《リトル・ウィッチ》、満を持して活躍の時ッ! 混迷する状況をさらに悪化させちゃう、サルトン博士に内緒で大量生産した『増殖☆フォーエバー』を戦場に投入だあ!」


「アイアイサー!」



 武器を持つ手も下がり気味、意気消沈する〈ニンゲン〉たちと、

 そこかしこに負傷を抱えながらも

 まだまだ戦意充分な我々との間の小狭いスペースに、

 登場した《リトル・ウィッチ》があの迷惑アイテムを投じます。



 もうひとつ。さらにもうひとつ。

 ポイッポイと、あとふたつ。

 調子に乗ってもうひとつ。オマケにノリノリでもうひとつ。

 憑りつかれたように……もうやめてっ!



「なんだ、緑色の煙がモクモク上がって。ケケッ(興味なさげに)」



 天高く、そして周囲に果てしなく拡散する大量の煙幕。

 いくらなんでもやり過ぎです。

 マニア向けの壮大な企画モノが一本撮れますぞ。



 モクモクモク……(増殖中)。



「煙に紛れて逃げようってのは感心しないぞ! ケケーッ、クエーーッ(高らかに)! だって俺様の探査能力は世界イチッ! どこまでも追跡しちゃうぞケッケッケッ! ゴホッゴホ……」

「ではお言葉に甘えて。おりんちゃん、スタコラ逃げますぞ」

「そ、そうだな。皆のモノ、引きアゲだ! 脇目も振らず走り続けろ!」

「煙幕の中で互いの位置を見失うな。おりん様の『キラキラ・オーラ』を目印に――全隊、前へ進めーー!」



「こんな子供ダマシが通じるものか! ケケッケーッ! 逃がさんぞ女狐め……め?」



 

 やがて晴れ行く緑色のジュクジュクしい大量の煙の後には、

 やはり盛大に描かれる地獄絵図……。


 往来を埋め尽くす緑色のプールの正体は、

 ロール・プレイング・ゲーム史が語り継ぐ偉大な存在――

 ざっと見積もったところ、二個師団は軽くありそうです。



「な、なんだこの《スライム》の異常繁殖……ひ、卑怯だぞお前!」

「こりゃあ一本取られたなあ。ガハハ! なんて数の《スライム》だあ。うひゃあキモチ悪りィ、触りたくなあい、でも飛び込んでみたあいガハ!」

「クソ、クソクソ、なんて速さだ! ヤツらの姿が見えないじゃないか! ゲゲゲェ~!」

「ガハハハ! 『狐一族』は、逃げ足の速さは一流だなあガハ!」



「あれはフツウじゃねえ」



「フツウじゃねえ……だとお? どういうことだあ、チューの弟よガハ」



「あれは『速さ』だけじゃねえ。すべてのステータス上昇値がフツウじゃねえ。でなきゃ、ヤツらを一匹も仕留められない――なんて、ふざけた『バグ』が起こるかよ。気付かれないように“コッソリ操作”したんだろうが、誰かが上げたんだ。どうやらチートを使えるのは俺たち――『ゲドウ▲三兄弟』だけじゃねえらしい。これで決定したろ、ビックな兄貴。四の五の言わずに行こうぜ、ヤツらのねぐら。『バク』は完全に撲滅されねえとな」



「じゃあ俺たちで、狐のねぐらを完全攻略だあガハハ! 待ってろよ『超』美人ちゃん。そしてムカつく『バク』ヤロウ。真の外道は俺たち――『ゲドウ▲三兄弟』で充分だガハ!」




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