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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
63/82

level.62 よめ を まもるのは…わたし!!

「おおーッ。居た居た。ガハハハ! あれが『狐の花嫁』かあ」



「ケケケーッ。だから“本物”だって言ったろ、ビックな兄貴! この俺様に行かせてくれ! ソッコーで片づけてくるぜ! ケケッ」

「なあんて美人ちゃんなんだあ。本当に〈魔物〉なのかあ? ガハハハ! マズイ顔の人間はゴロゴロ居るってのに。お前が熱を上げるのも、うなずけるなあ、チューの弟よお。ガハハ!」

「……手を付けることは許さん。俺が先だ。そう言ったはず、ショーの弟」

「ケケケーッ。忘れたワケじゃねえ! だがチューの兄貴は、あの女狐に痛い目に遭わされてるだろ! ケッケッケー。だから大人しくそこでケッケッケー」




 や、やっぱりな。

 次から次へと重なる新たなハプニング……。

 この一方的な展開は「最後まで続く」と、ここで私が断言します!

 その『超』展開によって、犠牲になるモノの悲哀を、

 このストーリーテラーは恐ろしいことに

 まったく気にする素振りすら見せないッ!



 この混沌とした状況を前にして、その〈ニンゲン〉たちもまた、

 気にする素振りがありません。



 きっとヤツらも、なにかを超越しちゃったモノ、なのでございますな。

 中学二年生っぽい、かなり痛いヤロウです。

 私にメラメラと闘争心が。



「おりんちゃん、もっとラブパワーをください!」

「な、なにを言ってる……気でも狂ったのか? それとも私が、ポチ殿のクビを締め過ぎたのか」

「いいえ、マジですぞ。マジマジ! あなたの精いっぱいのラブパワーを、どうか私にィ!」

「ちょ、ちょっとダメ……ダメですポチ殿……こんなところで……だから本当にダメだって!」

「アダァ」



 おりんちゃん、しつこい私に思い切りグー。

 そして例に漏れず、いつものように視界が徐々にブラックアウト……

 しなーーい! うひょひょひょ。



 これが愛、容赦のない愛のムチ! 

 そういうことにしましょう。

 おかげで、たくさんのラブパワーが私に注入されましたァ。





「ケケッケーッケ。お前が『狐一族』の頭領だな! この麗しい女狐が! ケーッケッケ。俺様が喜んで相手してやるぜ! そして、兄貴たちより先にお楽しみだ……ケケッ」


「ポチ殿、漫才をしている場合ではない。あのショーな男からフツウじゃない波動を感じる。――聞けェ皆のモノ、私がヤツらを引きつける!」



 と、信じられないスピードで距離を詰め、我々の前に立ちはだかるのは、

 あの小さな〈ニンゲン〉のショーひとり。

 奥で腕組みをする上背のある大男は、こっちを見てニヤニヤ。

 そのとなりの隻眼の男は、厳しい表情をこちらに――


 いえ、おりんちゃんに向けております。



「おりん様、お下がりください。これより先は命に代えても通しません」

「いらぬ。コイツらはフツウの〈ニンゲン〉ではない。下がれ」

「我らを信用なさらないのですか! 刺し違えてもお守りいたす!」

「いらぬ!」

「おりん様!」



「ケケッ。そうだそうだ、邪魔モノはどっか行け! 俺様が欲しいのは『狐の花嫁』だけ、経験値など不要ッ! ケケケーッ」





「弱いモノほど、本当によく吠えますなあ。はっはっは」





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