表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
47/82

level.46 すにーきんぐ みっしょん.トゥー!!




「オネエさん、ちょいとそこの“『超』クールなオネエさん”」



 ん? 

 変化の術でも容貌がまったく変化しない“ナイス人型長身バディ”を

 恐れ多くも維持したままの《???》が

 男型の〈ニンゲン〉に絡まれております。



「これから俺とお茶しない?」



 俺と『オチャ』……はて、なんのことでしょうか? 

 響きからすると、なんだか危険な匂いがします。

 ここは断るべきでしょう。



「ダメダメ、あなたと『オチャ』なんてできません。転んだらどうするんですか」

「……はあ? 誰コイツ? お前に用はねーよ。俺の目的はこっちの『超』クールなオネエさん。あっち行かねーと、痛い目に遭うぜ」

「ひい」



「オイ、そこのナマイキな〈ニンゲン〉。代わりに“俺”が相手してやる」



 おお。頼りになる大きな背中。目の前に立ちはだかるのは

 《布のティーシャツ(装備品)》からはみ出るほどの

 毛むくじゃらのキンニク大男。

 私もこんなボディにすればよかった。



「ここは任せろ相棒。おりん様が先ほどから見当たらない。探してくれるか?」

「おりんちゃんが? そういえば《リトル・ウィッチ》も消えましたな。大変、急いで探しに出かけなきゃ――おおっと足元が滑りましたあ! あぶッ、危なァ。《猫男(どらのすけ)》、あなたも勢い余って転ばないでくださいよ。変化が解けますので」

「お互いに気を付けような。すぐ片づけて後を追う」



 《???》は親友に任せてオッケー、これでバッチリ大丈夫!

 こんな恐ろしい場所に若い女型が、ふたりきりでフラフラなんて

 危険なフラグがビンビンじゃないですか! 

 まさか既に『オチャ』してたりして。あぶッ、危なァ!!



「……いいですか、飲み方には正しい作法があります。こうして、こうやって、そしてこうするのです。最後に加えるのは相手を思いやる心です。それがイチバンのうまみ調味料」



 居ました居ました! 例の消失した“あのふたり”。

 〈ニンゲン〉しているところを見ると、まだ転んではいないようです。



「見学のお嬢さんたちもどーぞ。これが当家の正式な作法で淹れた“お茶”です」

「ま、ま、待ったァ! その『オチャ』待った待ったあ!」



 午後の優雅なマダム風の〈ニンゲン〉どもが集まる中で、

 宝石のようにキラキラ輝く“おりんちゃん”と、地味なウチのねこ娘。



 彼女たちは目を丸くして、慌てて駆け付ける私を見ます。



「ポチサマ? なんで?」

「……ポチ殿、そのように走られては危険です。おやめなさい」

「危険なのは、その『オチャ』ですぞォ。ふたりとも、おやめなさァ――」



 あっ。

 足が――急に、も、もつれ――

 走馬灯のように風景が巡ります――

 もしかして――これは、“いつものヤツ”……?


 

 ズッ(こける私・(まこと)バージョン)。





「……あれ? 私、どうして転んでない?」

「まったく。あれほど強調したのに」



 フワフワなこの感触。

 そして不思議なことに間近にある、おりんちゃんの綺麗な顔。



「正体がバレたら、どうするつもりですか。作戦が台無しです」



 ええーっ!

 なんて……なんて究極にベタな展開なんだ……

 そして恥ずかしいことにシチュエーションが真逆。

 音速を軽く突破して

 すっ飛ばして来たおりんちゃんに、お姫様抱っこされる私。



 例えようのない――強いて言うなら――とても素晴らしいフェロモンが

 彼女からムンムン漂って、カサついた私の心身に急速に染みていきますぅ。



「赤いマジックペンで、あなたの顔に書きましょうか。転んではいけません、って」



 ああムギュー。

 このまま永久に眠っていい、というか是非そうしたい。

 まるで線香花火のような、とても短い我が人生に一片の悔いナシッ! 

 うひょうひょ。

 うひょひょひょ!


「ゴラア、ポチィ! 私のオネエサマになにしとんねん、サッサと離れんかい!」

「アダァ」

「ポ、ポチ殿! 頭のてっぺんから赤いモノが」

「なんだか目の前が徐々にブラックアウトを始めました……これはマジで眠りに就きそう。《リトル・ウィッチ》殿のマジツッコミが『会心のツッコミ』にぃ……トホホ。でもラッキー」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ