level.45 すにーきんぐ みっしょん.ワン!!
ドキドキ。
〈ニンゲン〉の生活空間に“初潜入”でございます。
この未知の状況に胸は高鳴り、気分は『超』アゲアゲ↑↑↑↑。
もしかすると今、私の精神は絶頂を迎えておるやもしれません。
それでは私――“ポチ”が、張り切って突撃レポートいたしますぅ。
チャンネルはそのまま!
「あはあ。ウジャウジャですな。どこを見渡しても〈ニンゲン〉だらけ」
よくもこれだけの数の生物が、一か所に集まれるものです。
我々〈マのモノ〉は、気のイイ連中ばかりにございますが、
これだけ密集してしまうと、どうなるかは分かりません。
互いのほどよい距離感が、この地にまったく存在しないことに、まず驚き。
「そこの奥さん、今日はキャベチが安いよッ! これ買って、今日の献立はキャベチロールだあ! あいよそっちの奥さん、キャベチ四個お買い上げ~。まいどッ」
ほうほう。
商売っ気は旺盛ですな。そこは我々と共通しています。
よく分からないモノを売る店が、そこかしこで絶えず客を引いております。
いやあ楽しそう!
しかし“一文ナシの私”は見てるだけッ!
「右手にありますシルクハットには、タネも仕掛けもございません。ところが、この“秘密の塩”をパラパラと上からかけると……」
ほうほう。
どうなるの?
「シルクハットの中から鳩が登場ォ~。それえ~バサバサバサっと、天高く飛んで行けェ~」
おお召還魔法!! まったく詠唱をしないとは、かなりの手練れ。
おりんちゃんも興味津々に、あの〈ニンゲン〉をじいと眺めます。
その『シオ』とやらがきっと“味噌”ですな。
「むむむ」
狭い場所で椅子に座って対面する〈ニンゲン〉。
互いに難しそうな顔を突き合わせております。
なにが始まるのでしょう?
すぐに観察観察。そしてメモメモ。
「むむむう。“王手”」
「え! ウソ……まさか……そんなぁ、奥の手があったとはぁ……」
「“待った”はナシじゃ。お前の負けじゃな。がはは」
「やぁらぁれぇたぁ~。今回はお前の勝ぁちぃじゃあ~」
ほうほう。
盤上には、たくさんの木札が載っております。
それを交互に動かして――まさかこれって……
【迷いのマの森】支店攻略の作戦会議中なのでは!?
ご、極秘裏に進めるはずの作戦会議を、こんなに開放的な場所で
それにたくさんのギャラリーを集めて意見交換をし、勝った負けたと
何度もシュミレーションしているとは……
〈ニンゲン〉とは、なんと好戦的な種族なのでしょう……やはり恐ろしい。
しかし、このシステムはウチでも採用すべきッ!
しっかりメモメモッ!
「オネエさん、ちょいとそこの、“『超』クールなオネエさん”」




