level.44 よめ(?) は “よめ” になった!!!!!!!!!!!
「こっちこっち!」
整備された街道の陰で我々を待っていたのは猫の“キグルミ”――
ではなくて、正真正銘の〈マのモノ〉である《猫男》。
「はやく、はやくッ!」
いつになく《猫男》が急いでおります。それも当然のこと。
なぜならここは【迷いのマの森】の外ですので。
手招きする《猫男》に続いて【その辺の木陰】に身を隠します。
これでようやくセーフティ。
ふう、疲れた。
……あ! カタカナの使用制限は解除されました。
「遅れましたか。誰にも気付かれないように秘密の通路を使いました」
「さすが相棒、ナイス判断。俺たちの行動は、直前まで秘密にしたい。それで……そっちは……?」
《猫男》の視線が私を飛び越えて、後ろの〈仲マ〉に着地します。
すかさずオトナの対応を見せるのは、なんとあの《リトル・ウィッチ》。
「いつもウチのポチサマがお世話になっております。私、〈新悪代官サマ〉の第二秘書を務めております《リトル・ウィッチ》と申すモノ」
「これはご丁寧に」
名刺をサッとスマートに差し出し、バリバリのキャリアウーマンと化しちゃった
彼女は、七十五度のお辞儀を深々といたしますな。
「若いのに大したモノですなあ。あっはっは。なあ相棒?」
「続いて、お初にお目にかかります。我はこういうモノ」
おっと紫色の《???(巨大粘液)》まで名刺を持っておりました。
彼女(?)は、私をグイと押しのけると、その“ナイス人型長身バディ”を
かくんと目の前で折り曲げ――うひょひょっ!!!!
見え、ました……やったァ、遂に見えましたぞッ!
いえ、見えた気がしますと訂正ッ。
ニセモノと知っていても、カタチはそっくりそのままの
“あの偉大なお方の絶対領域”がァァァァァ。
「ほう。『特別監査官』の《???》さんですか。“そっち”の第一秘書の誰かさんと比べると、どっちが偉いんですかね?」
「同じくらいである」
え……。
深い敗北感に包まれる私。まるで憐れむように《猫男》が見ている気がします。
被害妄想でしょうか?
なけなしの『威厳度メーター』が、たった今ゼロを指しました。
「それじゃあ、“そちら”が……」
目深に被るフードからチラリと覗き見える、透き通るような白い柔肌。
それは陽の光を当てただけで瞬時に焦げてしまいそうなほど儚く、
しかし強烈な輝きを内に秘めております。
「苦労をかける《猫男》」
おお!!!!!!!!!!!!
(通常の三倍の『!』で表現)
フード付きの厚手のコートの奥から現れたのは……
なんとなんと『花嫁』ェ! ジャジャーン(効果音・特大)!
こいつは想定の範囲外、誰もがビックリ仰天だァ。
「まぶッ、眩し! まともになんて見らんない! 目がァ、目がァァァ」
さすが親友。反応がソックリ。
私もこんなカンジですか?
「キャアァァァァ! オネエサマが素敵過ぎる! 目がァ、目がァァァ」
こちらも反応が似てますな。おかげで冷静になれました。
彼女の美貌に驚く画は、たっぷり撮れましたので編集の都合上カットします。
ちなみに、まだまだ続いております。
「おりんちゃん、そろそろ行かなくては。このままでは陽が沈んでしまいます」
「ああ。【〈ニンゲン〉の村】は夜になると門が閉まるそうだからな。一日の始まりは、これからだというのに理解に苦しむ。それでは皆、私の傍に集まってくれ。“変化の術”をかける」
「ハイよろこんでー! じゃあ、そのフサフサ尻尾に触れてもイイですかッ!」
「そんな恐れ多い! ええでもォ、よろしいですか? じゃあ私もグヘヘッ!」
そういえば親友、
あなたのストライクゾーンは遥かな高みにあったはずでは?
おりんちゃんは、うら若い乙女ですぞ。
あなたには早いかと。
「およよ……感動ですぅ……。まさに“おかん様”の生き写しにございますぅ……あと、一意万五千年も経てば俺好みの……うひょひょひょ!!!!」
やっぱりそっちかい!
恐ろしく気の長い話にございますなあ! もう勝手にしてッ!
さて、こっそり編成された“潜入班”が、おりんちゃんの元へ集結。
もちろん思惑あっての今回の隠密作戦。
目的は、
名誉の『花婿』探しと、
それ以上に大事な“式場探し”と“下準備”。
おりんちゃん、出番です。
「これから【〈ニンゲン〉の村】に潜入するため、皆に“変化の術”をかける。怪しまれることはないだろうが、ひとつだけ心に留めておかなければならない『注意事項』がある」
お約束ですな。なければ盛り上がりに欠ける、いつものヤツです。
ではどうぞ!
その重大発表の後で、存分に荒ぶっちゃってください。
「“絶対に転ぶな”。それで術が解ける。それだけ守ってくれ。さあ、なりたい自分を頭に思い描いて――ベベバラログアキョワギャロウジロウカテオイルカジェジャウエオワ――」




