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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
40/82

level.39 どらのすけ 「やけどするぜ!!」



「終わったのか」

「へっ?」



 白い煙がもくもくもく……

 へっ、へーっ、へーっくしょん! 

 ごっほごほ、け、けむい。



「……あれ? そこに居るのは《猫男(どらのすけ)》ですか?」

「おう転校生。案内してやるって約束したじゃないか。なんだ忘れたのか」


 おお。

 なんと『いけめん(性格が)』なんでしょう。

 煙草のぽい捨ては禁止ですから。


「親友だろ、俺たち」



 待った待った、ちょーっと待ったあ!

 その携帯灰皿は、一体どこから取り出したの? 

 さっき『ちゃっく』がするすると降りてきて、内側の……? 

 もしかして、それ着ぐるみでは!? 



 いえ、それは今どうでもいい。

 不意に涙がぽろり。そうですか……。

 思えば敵の多い道をひたすら我慢して歩き続けてまいりました。



 あなたが“着ぐるみ”だろうが、内側の“本体”が誰であろうが、

 そんなの関係『なっしんぐ』!! 

 ようやく私にも、夢にまで見た本当の親友が……

 じーん、であります。

 しーん、は必要ありましぇん。



「あはは。どうしてこんなに塵が目に入ってしまうのでしょうね。ははは、もう止まらないや。ははははは……うぇーん。つらかったよお!!」

「よしよし。俺の胸を貸してやるぜ。思い切り泣け」



 おお。

 なんと『いけめん(性格が)』なんでしょう。



 今日はもう、どうにでもして。



「あっつぅ」

 でしょうね。だったら脱げ。



「おりん様はどうしてる?」

「おりん様? はて、おりん様……ああ、おりんちゃん、おりんちゃんね」

「ああん! なにを気安く、ちゃんだ、ちゃん! おりん様だ、おりん様!」


 おっと。

 気を抜いてました。

 許すのは、奥底に秘める熱い想いだけにしておきます。



「……おひとりにして欲しいそうで。しばらく考えたいことがあるとか」

「そうか。やっぱり陽幻(ひげん)の野郎は〈衆長(おさ)〉たちを取り込んだか。さすがだな」

「ええっ! それはどういうことですか《猫男》。私はこの土地に来たばかりで、詳しい事情がよく分からないのです。どうか教えてください!」


「うん。〈火行衆〉の陽幻は、その戦闘能力もさることながら、作戦立案・指揮能力にも優れた『超』稀有な実力の持ち主だ。“すべてを持ってる男型”と最近では噂されている。そして今では各衆派を総べる〈衆長〉たちよりも、【迷いのまの森】支店で勤務する社員の尊敬を集めるほどだ。その優秀な男型が今、“すべてを持ってる女型”の、おりん様と、迷惑にも全存在をかけて対決しようとしているのだ」



 な、な、ナンダッテー!

 驚きのあまり『かたかな』表記しちゃったっ。



「あの『いけめん(まじの)』が、そんなに悪いものだったなんて……つくづく、ものは見かけによらぬものですな。『べろん』支店長もそうみたいだし」

「いや、『べろん』支店長は、きっとあの通りだぞ。それよりもっと酷い」

「そんなに酷いのですか?」



「場所を変えよう。どこで誰が聞いているのか分からないからな。女子社員でも見ながら『あまざけ』でも飲もうぜっ」




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