level.39 どらのすけ 「やけどするぜ!!」
「終わったのか」
「へっ?」
白い煙がもくもくもく……
へっ、へーっ、へーっくしょん!
ごっほごほ、け、けむい。
「……あれ? そこに居るのは《猫男》ですか?」
「おう転校生。案内してやるって約束したじゃないか。なんだ忘れたのか」
おお。
なんと『いけめん(性格が)』なんでしょう。
煙草のぽい捨ては禁止ですから。
「親友だろ、俺たち」
待った待った、ちょーっと待ったあ!
その携帯灰皿は、一体どこから取り出したの?
さっき『ちゃっく』がするすると降りてきて、内側の……?
もしかして、それ着ぐるみでは!?
いえ、それは今どうでもいい。
不意に涙がぽろり。そうですか……。
思えば敵の多い道をひたすら我慢して歩き続けてまいりました。
あなたが“着ぐるみ”だろうが、内側の“本体”が誰であろうが、
そんなの関係『なっしんぐ』!!
ようやく私にも、夢にまで見た本当の親友が……
じーん、であります。
しーん、は必要ありましぇん。
「あはは。どうしてこんなに塵が目に入ってしまうのでしょうね。ははは、もう止まらないや。ははははは……うぇーん。つらかったよお!!」
「よしよし。俺の胸を貸してやるぜ。思い切り泣け」
おお。
なんと『いけめん(性格が)』なんでしょう。
今日はもう、どうにでもして。
「あっつぅ」
でしょうね。だったら脱げ。
「おりん様はどうしてる?」
「おりん様? はて、おりん様……ああ、おりんちゃん、おりんちゃんね」
「ああん! なにを気安く、ちゃんだ、ちゃん! おりん様だ、おりん様!」
おっと。
気を抜いてました。
許すのは、奥底に秘める熱い想いだけにしておきます。
「……おひとりにして欲しいそうで。しばらく考えたいことがあるとか」
「そうか。やっぱり陽幻の野郎は〈衆長〉たちを取り込んだか。さすがだな」
「ええっ! それはどういうことですか《猫男》。私はこの土地に来たばかりで、詳しい事情がよく分からないのです。どうか教えてください!」
「うん。〈火行衆〉の陽幻は、その戦闘能力もさることながら、作戦立案・指揮能力にも優れた『超』稀有な実力の持ち主だ。“すべてを持ってる男型”と最近では噂されている。そして今では各衆派を総べる〈衆長〉たちよりも、【迷いのまの森】支店で勤務する社員の尊敬を集めるほどだ。その優秀な男型が今、“すべてを持ってる女型”の、おりん様と、迷惑にも全存在をかけて対決しようとしているのだ」
な、な、ナンダッテー!
驚きのあまり『かたかな』表記しちゃったっ。
「あの『いけめん(まじの)』が、そんなに悪いものだったなんて……つくづく、ものは見かけによらぬものですな。『べろん』支店長もそうみたいだし」
「いや、『べろん』支店長は、きっとあの通りだぞ。それよりもっと酷い」
「そんなに酷いのですか?」
「場所を変えよう。どこで誰が聞いているのか分からないからな。女子社員でも見ながら『あまざけ』でも飲もうぜっ」




