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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
39/82

level.38 よめ(?) が かなしんでいる…。


        奥の暗がりから現れる、四つの影。




「お……お……〈衆長(おさ)〉たちだっ」


 その姿を見た途端、歓喜の抱擁はすぐにも止み、

 すぐに社員たちはその場に深くひれ伏します。


「どういうことだ……なぜ各宗派の〈衆長〉が出てくる……?」

「〈金行衆〉抜きで決めさせてもらった。お前に伝えず、すまないと思っておる」


「すまない、だと? 私の了解も得ないまま、なぜ勝手に決めた! 私は……私は“この支店を任されるトップ”だぞ! あの大殿から、この重要拠点を任される私を差し置いてなぜだッ!」


「反対するのは〈金行衆〉だけである。我らは皆、同じ結論に達した」

「お前らは“ヴェロンというバケモノ”を知らないのだ。我々が持っていない――いや、“我々が決して持っているはずのない”、ヤツには『恐ろしいパラメータ』が存在する!」

「おりん、この森は大きな変革を求めておる。我らに存在しないものを持っているのなら、なおのこと。『狐一族』が支配する【迷いのまの森】は時世に合わぬ」

「お前たちがすべてを決めてきた悠久の歴史の中で、我らはなにを得た? なにもない。むなしさだけだ。だから変えなければ。それは今を置いて他にない」


「時代は変わったのだ、おりん」




    痛々しさが、伝わってまいります。

    計り知れない彼女の心の悲しみが。




「なにが……なにが変革か。“母上”がご存命だった頃は波風ひとつ立たせず、ひたすら従順だったお前らがッ! 私が跡目を継いだとたん、このように手のひらを返すのかッ!」



「我らは、元に戻そうと言っているだけだ。権力が、ひとところに集中しないように。陽幻、ここに居る皆に報告をせい」

「はっ」


 そして陽幻殿は優雅に立ち上がると、なんとあろうことか――

 おりんちゃんに背を向け、現れた〈衆長〉たちに向き直って再度膝を着き、

 深々と頭を垂れました。



「この地を通行・探索する〈ニンゲン〉、そして急増する“盗掘常習犯”を完全に“駆逐”するため、【無人のムの野】支店を統括するヴェロン支店長は、今まで以上の密な連携を約束し、その証明として今回、ヴェロン支店長がもっとも信頼する配下の〈マのモノ〉たちを当支店に派遣してくださいました。それではご紹介いたします――()でよッ!!!!」





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