表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
37/82

level.36 どらのすけ 「どやっ!!」 



  「なにか、お前も言いたそうだな、夜幻(やげん)



 ずっと沈黙していた、おりんちゃん。

 名札付きで用意された学級机に着かず、【視聴覚室】の壁にもたれたままの

 そちらの派手な男型の『いけめん』社員に鋭い視線を向けます。



「このたびの不祥事、お前たちの“管理エリア”で起きた事実が、この場でさほど問題になっていないようだ。納得のいく説明を、お前の口から聞かせてくれないか?」



 支給された『だんじょん・まっぷ(GPS機能付き)』を手元に寄せます。

 確認中――しばらくお待ちください――

 となりの席の《猫男(どらのすけ)》も資料を引き寄せて

 気だるそうに眺めております。



「お前の兄の“陽幻(ひげん)”はどうした? この場に居ないようだが」



 急いで確認したところ、この森は“五つの管理区画”に分かれておりました。

 今ここで我々が会議中の【迷いのまの森】支店は

 もっとも最深の“第五層”に位置し

 入り口に向かって第四・第三・第二・第一層と

 警備責任者と警備班が変わります。



「よほど忙しいようだな。このところ、ヤツの姿を一度も見かけない」



 しーん。



「あっつぅ」



 こら。あっさり破るな破るなっ。

 お前はもっと空気を読めっ。

 ……あっ、おりんちゃん。ええーーっ! 

 冷たい目で、じいと彼女は私を見ております!!!! 

 そんなぁ、違う違うっ。ぼやいたのは私じゃなくて

 となりの席の《猫男(どらのすけ)》だっ!



「ぬるくなっちゃった。先生、ちょっと『こおりみず』入れ替えてきまーす」



 なんて恐ろしい《猫男》……。

 鈍感過ぎて、さすがにちょっと引きました。

 ――おいっ、どや顔でこっち見んな! 

 たぶん誘っているんでしょうが、私は一緒に行きませんぞっ! 




「我々――〈火行衆(かこうしゅう)〉が信用できない、と?」




 途端に静まります。

 空気が読めない愚か者は、既に退場しておりますので。



「そう聞こえたのか。どうしてだろうな? やましいところでもあるのか」

「回りくどいですね。この際はっきりと申したらどうです? おりん様が信頼を寄せるのは“同族のみ”。つまり――おりん様が〈衆長(おさ)〉を務める〈金行衆(こんごうしゅう)〉だけだ、とね」



 しーん。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ