level.26 あくのさばき が くだります。
―― 【悪代官サマの間】 ――
バババーン!
いよいよ本家本元にございます。
これは実際に“効果音”が上から流れてまいります。
バババーン・いよぉー!
ポン、と、古風なドラムロール。
それと同時にジャンジャカ降ってくるのは
それはそれは美しい大量の桜吹雪にございます。
細っこい腰に手を当てて、“ナイス人型長身バディ”に扮する――
じゃなくて、これが“マジ”で“本物”のッ!
我らが〈新悪代官サマ〉が、そこに平身低頭の姿勢でひれ伏す
【アンゾルゴンのア大灯台】支店を任されますルバロバ殿を
あの『即席マ眼』ではなくて、本物の冷酷『超』無慈悲な『マ眼』で、
まるでゴミのように緊急招集された彼を遥かな高みから見下します。
「支店の査察を行った、当方が派遣した専属コンサルタントによると【アンゾルゴンのア大灯台】支店は“削減されるべきムダ”が多いとのこと。なにか申し開きはあるか?」
床にピタリと頭を付けたまま、ルバロバ殿は申されますな。
「なにも、なかです。もっとも削減されるべき、“大いなるムダ”は、オイの余計な“コダワリ”です。無能なオイなんぞより、もっと、もっとエエ方向へと変えてくれる有能な社員を、どうぞ【アンゾルゴンのア大灯台】支店に派遣してつかァさい。それは【アンゾルゴンのア大灯台】支店に勤務するすべての社員の、切なる願いでもあります」
ルバロバ殿……。
「ほう。しかし“それ”は、この報告書には上がっておらんな。――ポチ」
「ははっ」
「我は、なにより正確な情報を求めておる。そこのモノが口走った“コダワリ”なるモノは、お前の目にはどう映っていたのだ?」
「ははっ。恐れながら申し上げます、我らが〈新悪代官サマ〉」
「ルバロバ支店長が捨てられない、その“コダワリ”なる珍妙なパラメータは、得難いモノにございます。我が社にとって、ムダは削減されるべき絶対悪。どれだけ歳月を経たところで、これは決して変わらないルールにございます。しかし我ら〈マのモノ〉にとって、ムダは元より存在しないモノ。それを検討すること自体が、そりゃもう、大いなるムダにございます」
「なるほど。ではお前は、我が命じた“支店の査察”こそ、削減されるべき大いなるムダと言うことか。どうなのだ、ポチッ!」
「ははーっ。すべては、報告書に記載した通りにございますーッ」
すると我らが〈新悪代官サマ〉、
私が『 OTAKU 』でパチパチした紙の束をパララララッと
素早くめくり、恐るべき速さで目を通していきます。
「なるほど、大体分かった。ルバロバとか申すモノ、苦しゅうない面を上げ」
「はッ」
「この報告書によれば、お前の支店のムダとやらは“ボケが多いこと”だそうな」
「は? ボ……“ボケ”……? そのう……“ボケ”と申しますと……あの“ボケ”ですか? そ、そそそれは、一体どういうことですかいのォ!」
「どのボケかは知らんが、多過ぎて業務に差し支えると、そこのポチが鳴いておる」
鳴いてますか、私?
泣かされますが鳴きません。
「ボケ、ですかいのう。はあそりゃあ、よく分かりませんが」
「覚えがあるのか、ないのか、どっちだッ!」
「ひえええ! も、申しワケございませんでしたぁぁぁぁ」
「沙汰を申し伝える」
バババーン・いよぉー!
「ボケ役に対して、“ツッコミ役”が皆無とも言える深刻な状況。その改善のために、ボケの異常な多さに対しての、適切な人員の補充をこちらで行う。これで報告書に指摘される、“大いなるムダボケ”は解消されるであろう。よいか、ルバロバ」
「で、では……【アンゾルゴンのア大灯台】は……?」
「これまで通り、お前に全権をゆだねる。今まで以上に業務に励め」
「は、ははーーーーーーっ」
ポン。
じかい 【迷いのまの森】編 が はじまり ます。
なお “してん” に いる あいだ は
かたかな は しようきんし となっております。
よみづらい ところ が あるかもしれません。
ごりょうしょう ください。
※そういった “しよう” です。“ばぐ” では ありません。※




