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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 アンゾルゴンのア大灯台 】 編
12/82

level.11  【アンゾルゴンのア大灯台】 5階



「へえー、キレイなところだねえ」

「すごっ!」


 長い階段を登りきり、ほてったカラダを冷ますのは

 マイナスイオンたっぷりの細かなミストのシャワー。

 待ち受けていたのは『攻撃』ではなくて、

 どちらかと言えば『癒し(?)』です。



 ここは塔の内部では? 

 それまで無機質な茶色のタイルで覆われていた床が

 まさかの鮮やかな草木、そして名も知らぬ花々に

 辺り一面が埋め尽くされておりました。



 「なんやぁ、見かけん顔やなあ。あんたら新参モノか?」



 いきなり出現した緑色の素敵な光景に、唖然としていた我々に

 ちょっと太めの《フラワーエイブ》がのそのそ寄ってきて

 実に気安そうに声を掛けます。



「ほい、『アメちゃん』舐めぇ」



 そう言って、ちょっと太めの《フラワーエイブ》は、

 ナゾのアイテムを差し出します。


「あ……『アメちゃん』? な、なんですかァ?」

「そうや『アメちゃん』や。なんや知らんのかい。どこのモンや、あんた。まあエエ。コイツをな、ポイッと口に入れてみぃ。甘いでぇ、ウマいでぇ」

「ギョギョギョ!」



 まったく信じられません。

 こんな怪しげなモノを口に入れるなんて……ウソだッ!



 すると《リトル・ウィッチ》、

 受け取ったアイテム『アメちゃん』なるモノを信じられないことに

 なんのためらいもなく素直に口に放ります。



「ちょ、ちょっと《リトル・ウィッチ》殿! あ……あなた、どどど、どうしてそんなこと!」



 私の忠告を完全ムシ。

 ナゾのアイテム『アメちゃん』を口に入れ

 モグモグする《リトル・ウィッチ》。その軽率さが恐ろしい。



 すると見る見る彼女の表情が変わっていきます。

「ううう」

「ほら、言わんこっちゃない。ペッってしなさい、ペッ!」


「ウマー!」


「ええーーッ! なんですかその、“ウマー”って? 私の知らない表現ですぞ! ウマー、ってなに“ウマー”って? あなたのその感情は、一体どんなモノ?」

「だって、ウマーイもん! なにコレ? ねえオバチャン、この『アメちゃん』もっと私にちょーだい!」

「なんや、気に入ったんかい。エエでエエで、モチロンエエで。オバチャン、ぎょーさん持っとる。そっちのケッタイな《スライム》も遠慮せんと舐めてみぃ。このオジョーチャンみたいに」


 すると紫色の《???》、

 ためらうことなく口を開けた《リトル・ウィッチ》のように

 ちょっと太めの《フラワーエイブ》が投げる『アメちゃん』を

 ナイス口でキャッチ! おみごと。



「遠慮するとソンやで。モノ(ヒトではなく、モノ)の好意は素直に受けるもんや」


 口をモグモグさせた紫色の《???》、

 私ソックリな彼の表情がパアアアッと恍惚の表情に変化していきます。

 それは私にウリふたつだが、明らかに私ではないッ。



「ウマー……である。なるほどこれが、ウマーか。ふむふむ、興味深い」


 それを見て、「ほななぁ」と満足そうにこちらに背を向け、

 のしのし帰っていく、ちょっと太めの《フラワーエイブ》。

 頭のてっぺんで揺れる草花が、なんだかすごく誇らしげ。



 で、私の『アメちゃん』はッ! 




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