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死神said 黒を纏いし者
何かが変わるかもしれない、そんな予感がした。
何の確証もない、けれど確かな予感だった。
死神は人の命の終わりが見える。
雪の降る中マッチを売り続ける哀れな少女には最期の時が迫っていた。
それはそれは、凄惨な最期が・・・
それを観た男は小さくつぶやく。
「最近仕事してないし、やんなきゃダメ、だよねぇ?」
「めんどーだけど、仕方ないかぁ」
間延びした口調で紡ぐその声は、言葉に似合わずどこか悲しげだった。
けれど彼がそれに気づくことはなく、静かに少女のもとへと舞い降りる。
「こんにちは、かわいいお嬢さん?」
漆黒の死神は静かに嗤った。