プロローグ
あなたは”奇跡“を見たことがありますか。
夜の星空に虹色の流れ星
朝の日の出に円の虹
夕方の夕焼けに白い煙りに似た水蒸気
夏の豪雨に顔出す太陽
秋の夕暮れに暗い色の虹
冬の雪に一粒の虹色の雪
春の花々虹色の一つだけの花
これらの”奇跡“は虹に共通し、光がなければ虹ができない。水がなければ虹がきでない。
虹は光が水に屈折することで、7つの色を発生する。それより、光は、7つの色を最初から持っている。
白河 桜という少年は、外見は、女みたいに体が細く、顔も美しく、髪も白色で腰より少し下まで伸びていてとても長い。
彼は一つだけ、能力みたいなものを持っている。
それは、彼が触れた桜の樹は満開に咲く、冬でも、夏でも、秋でも、さらに植えた桜はすぐ大きくなる。科学者達は、その少年が触れるだけで、そのような現象が起こるのか研究したが答えが全く出てこない。
そんな少年には、残酷な過去があり、人とはあまり関わろうとはしない。
そう、少年には、本当の家族がいない。さらには、生まれ育った故郷までなくなり、心に深い傷を負っている。
そしてさらには、彼はいつも命を狙われている。
彼は死にたいと思っているが、死ねない理由があった。
それは、たった一つの”遺言書“のせいである。
それには、自分のせいで死んでいった故郷の人々や家族の一人一人の言葉に『私達の分まで生きてくれ』と……。
でも、全員の顔は忘れてしまった。でも、いつか思い出すことが出来るどろうか。自分のために死んでいった人達の顔を……。