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プロローグ

どうも、維月十夜です。

今回、新たに書いたのは今から数百年後の世界が舞台のラブファンタジーです。

もし、よろしければ謁見のほどを。

それでは、失礼致します。


遮るもののない、旱魃かんばつでひび割れた大地を、太陽が灼いている。

黄土色にひび割れた大地を、止めどなく風が削り、その形を砂に変えていった。


見わたす限りの黄塵こうじんの地が、ほぼ全域を占めるここは、国土の西にあるこう国。

全般に、辺境といわれる区域だ。

この国の国土は硬く、甲羅のようにひび割れているので、そう名が付けられたという。

太古の人間がもし、今の国土を見たなら、必ずこう言うだろう。

『地球温暖化』と。

今は、その言葉すら忘れ去られて、消えた。

古来より長らえてきた人間の文明は、突然の終焉を迎えたのだった。

併発する激震と津波が、地球全体の国土を砕けさせた。

山脈は崩れ、海が沸き…。

世界は、大いなる犠牲を礎として、新たな変革を迎えようとしていた。


その後、生き残った僅かな人間たちは、ある者は深山の奥へ。

谷底に小国を造る者や。

また、ある者の集団は、土地から土地へ渡り歩く、遊牧の民となった。

名を失った国土に、そうした者たちの子孫が散らばるようになり、再びそれぞれの国土に、名を付けた。

今となっては太古、人間たちと、共にあった動物は、ある種類を除いて他は滅びてしまった。

物資を断たれた人間たちは、困惑の末に、一つの方法を見つけた。

人間が闊歩かっぽしていた時代には、決して姿を見せなかった者。

昔の人間が、恐れ・畏怖していた妖魔・あやかしという存在だった。

人々は、いくつもの困難にもめげずに、妖を狩り、増やし・慣らすことに成功した。


 しかし、その例外もないわけではない。

妖魔や妖の大半は、人間を喰らう。

決して、慣らすことのできない者がいるのも、事実だった。

それが、この世界の始まりである。


 人知の及ばない、妖の暮らしも、実は、ほぼ遊牧の民と同じで…。

この世界の人間と妖魔・妖の人口(?)は妖魔の方が多く、人間の方が稀少なのだ。

現在は、妖が人間を襲うことは滅多にない。

むしろ、友好的に興味を持って、婚姻を結びたがる者の、数の方が多いのである。

それが成功したのは、本当に稀な場合だったが。

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