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人間
脚は八本、目は八つ、糸を出し巣を作る。それが私だ。私は私が何であるかを知らないがそれはどうでも良い。私が何かを知ったところで私は変わらないからだ。
穏やかな夜、私は彼らが巣にかかるのをじっくりと待つ。彼らとは私の食事のことだ。様々な色や形をしていて不気味だが巣にかかると食事として認識できるのだ。しかしここのところ巣に彼らがかかることは無い。彼らが私の存在に気付きここから逃げ出してしまったのだろうか。そうなれば私は食事ができずに死んでしまうだろう。そろそろ場所を変えるべき時期になったということだ。こういうことは生きていて何度もあった。私はその都度巣の場所を変えてきた。
大丈夫、次もきっと上手くいく。そうやって私は生きてきたのだ。




