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epilogue

ゆらり、ゆらり、暖かな水の中を小さな体が漂う。

ー-いや、そう感じているだけで、息苦しくないし、しっかり息も出来ている。

これは、夢だ。


ー--けて


声がする。

自分に直接言われたわけではない。

どこか遠く、離れた場所で流れるわずかに電波のずれたラジオの音のような、微かな音だ。


ー-ー・・・て

ー--わた・・・・・・て


泣き声だ。

悲痛に濡れ、心が絶望に染まり、立ち上がることが出来ないと泣いている。


小さく蹲る少女の姿が見える。

顔を覆う手を伝う、大粒の涙。


あなたは、誰。


問おうとして、口を開くが、音にはならなかった。


こぽりと口から気泡が漏れる。


ー-夢から覚める(現実へ帰る)時間だ。




ぱちり。

音が聞こえそうなほど、起床とともに目を開けたルル=シエラー-愛称をルエラというー--は、がばりとかけ布団を半分に折り畳んで、体を起こした。

10歳にしては整った顔立ちのルエラは、腕を組んで胡坐をかき、長い睫で縁取られた翠の瞳を二度瞬きしてから、うん、とひとつ頷いた。


「いやはや、これは予知夢という奴だろうか・・・。うん、師匠(せんせい)に相談しよう」


見た目にそぐわぬ古臭いしゃべし方で独り言を言い、ルエラは勢いよく俊敏な動きでベッドから飛び降りた。

目指すはキッチンにいるであろう敬愛する師匠の下である。

とりあえず、人物説明…


ルル=シエラ・ヘリオトロープ(年齢不詳 10歳程度と思われる) 戦争孤児だった。


魔術の師の元で暮らしつつ、魔術の鍛錬を日々欠かさない少女

見た目の年齢にそぐわず、古臭いしゃべり方をするのと、どこか達観した性格から、他者から「自分は年上と話してたっけ?」と首を傾げられるまでがお決まりの流れとなっている。

主に師に対してだが、近しい人に対して口説き文句のような男前発言を多発する為、人たらしと叫ばれるのが常。

本人は納得していない。


現在の目標は、早く身長を伸ばして高い位置の本を自分でとること。

その為朝に牛乳をがぶ飲みして師に怒られる。

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