表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
終末の休息……——謳え、惑いの響歌
99/750

95

「えっ、でも本当に、今回は緊急じゃ無さそう。でもエッ!場所って……また富士山だ!」


 幸子さちこすでに搭乗ジャケットを羽織っている。


「行くの?母もさ、ずっと頑張って来たじゃん……」


 アタシは浴衣の袖をぎゅ、とつかんだ。


 まだ、布団の温もりが染み込んでいる気がする。


「ミカ、疲れてたり、他にやることがある時は、休んだほうがいいと思う。でも母、元気になったから。協力できる時は協力しようと思う。 HyLA(ハイラ)っていい職場だと思うし」


「ミカ、私もごめん。やってみたいことがあるんだ」


 幸子さちこは脱いだ浴衣の袖を探って赤い宝石を取り出した。……違う、宝石じゃない。ルビーみたいなライズブレスだ。それとホログラムモバイル。


「ゴーグルおじさーん☆私、赤のほうで出ます!」


「OK!」


 モバイルから、そうちゃんの声。


 幸子さちこはルビーのライズブレスのボタンを押して赤いワープペーパーに乗る。


 アタシはなんだか、取り残されたような気持ちになった。


あね、ハイドロレイダーは僕とそうちゃんでも大丈夫だけど、三人で乗ってみない!?先に行ってるね!」


 アタシのモバイルから、シュウジの声が聞こえた。


 見上げた母の顔は強くて優しくて、アタシの心は揺れた。


 辛かったし、甘えたい。


 でもアタシが行ったら……たぶん、たぶんだよ?……きっと助けられる。



 幸子さちこがさっき歌った、


 ほたるの歌がリフレインしてる。


 優しい、許しの歌。




 でも……




「アタシも行く」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ