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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
終末の休息……——謳え、惑いの響歌
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 そうしてアタシたちは交代に休みを取ることになって、ミーティングの次の日、幸子さちこ、母、シュウジ、そうちゃんと温泉へと骨休めに来たワケ。


 こじんまりした山間やまあいの日本旅館は、とっっても居心地が良くて、空気が気持ちよくて、木窓から見える景色はどこか懐かしくて、何もかも完璧だった。


 ぐー……


 休憩コーナーの片隅で小さくお腹が鳴って、気持ちのいいお湯と、甘くてさっぱりなソーダで満たされた体だったけど、お腹が減ってきたコトに気がついた。


「お腹減ったねぇ☆」


 マッサージチェアで、見たコトないくらい新鮮な、初日の出みたいな優しい光を放つ幸子さちこも、ぐー……とお腹を鳴らしていた。


 満月に包まれる猫みたいにも見えた。


「部屋……戻ろっかぁ☆ご飯楽しみだね〜☆」


 この秘湯の温泉宿はなんとペット AId(エイド)もお泊まりOK!


 部屋で待っているかえでのために母は先に戻り、アタシと幸子さちこは売店を見たり、卓球したり、マッサージチェアに乗ったり、存分に、はしゃいだ。


「そろそろじゃない〜?☆ご飯……あー楽しみ☆」


「そだね、行こっか」


 アタシは解けかけたお下げを結い直し、イスに掛けておいた半纏を羽織った。


 いい感じにお腹が空いてる。


 古い温泉宿の廊下はキシキシときしんで、探検をしているようなわくわくがあった。


 幸子さちこと連なって、ぼんぼりに薄灯りが灯った廊下を進んでいく。


「なんか……楽しいねっ☆あれ?あれって……」


 廊下の、羽目ごろしの窓の向こうに、月明かりが差していた。


 その下に、ホログラムモバイルを持ったそうちゃんの姿。


「なんであんな所に……」


 まさか仕事してるんじゃないでしょうね……

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