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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
終末の休息……——謳え、惑いの響歌
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「皆んなには本当に申し訳ない」


 トレーニングルームの演台(学校の教壇みたいなやつ。サブローと男子が気に入ってるやつ)を降りて、サブローは頭を下げた。


 アタシたちはそれぞれ、好きな椅子に座ってるけど、それぞれ座り直してサブローを見つめた。


 サブローはアタシたちのリーダーだ。


 でも、サブローだけが悪いということはいつも、無い。


 でもサブローの誠実さが、正直、続けられる要因のひとつなのかもしれない。いつも、怖いけれど。


「本当に申し訳ない。把握しているかもしれないが、ディストレスの顕現スピードがこのところ予想以上に伸びている。体制の整備を急いでいるが、正直、観測が追いついていない状況だ。緊急招集(エマージェンシー)がこれまで以上に増えていくことになるかもしれない。すまないが、常時備えて欲しい。もちろん、そうなった場合、振替の休暇を用意する。各国の HyLA(ハイラ)支部設立、増援、うまく行けば支部のパイロット養成も計画している。おそらく、今が一番大変な時期になる。どうか……協力して欲しい」


「サブロー、シュウジとアタシは冬休みだし、直ぐにでも乗れますけど」


「いや……君たちが毎日乗ってしまうと、星ヶ咲(ほしがさき)さんが休めなくなってしまうからね。それに、君たちの今は戻らない。子ども時代にしか出来ないこともやった方が、結局は世界の未来のためになるからね」


 確かに母も年末が近づくにつれ、何かと出突っ張りだった。


 そろそろ休ませてあげたい。


「つまり、ブレスを持って休んでねー☆ってコトでしょ?☆別にいーよ☆これカワイイし☆」


「……そういうコトです。すまないが……」


「別に大丈夫ですよ!それよりサブローさん、僕質問があるんですがっ」


 えっと、シュウジ、この雰囲気で、まさか……


「新しいレイダーは何レイダーですか!?」

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