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大切な人が倒れる前に気付けたらどんなにいいだろう。
でも、アタシはエスパーじゃない。
シュウジや、母のこと。
仲間の気持ちも、分かる時もあれば、分からない時もある。
大切な人のために、だからこそ言えないこと。心に飲み込んでしまう言葉たちが、きっといくつもある。
でもアタシは誰にも倒れてほしくない。
助けになれない時もあるかもしれないけど、知らずに失ってしまうより、言って欲しいと思う。
倒れる前に言って欲しいというサブローの言葉に、みんな頷いていた。
「それで、サブローさんの事務補佐として、レイダー指揮サポートチームを僕も兼任することになったので、今後の搭乗依頼は僕からも送らせてもらう場合があります」
「えっ宗ちゃんが!?」
「別にいーけどー☆ゴーグルおじさんも忙しーんじゃないのー?社蓄してたらまたミカに怒られちゃうんじゃないのー☆」
「その点は…… HyLAもいい意味で……いや、悪い意味?ん?……いやまぁ、我々も宗二君(宗ちゃんは何故か一度倒れてから偽名を使っている!)の働き過ぎを信用していないからね……強制的に休みを取ってもらうシフトになっています。他の皆んなもね。取り急ぎ、ハイドロレイダーチームとヘブンズレイダーチーム、宗二君には明日から休みを取ってもらいます。……ただ」
「「「ただ?☆」」」




