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エリア新宿が氷に包まれた日、結局、ハイドロレイダーとブレイズレイダー、ヘブンズレイダー、ナノゲイルレイダー。
全てのレイダーと HyLAの機動部隊が集結して、少しずつ氷漬けのシクラメンと猿を砕いていった。
全レイダーで夜の新宿で少しずつ氷を削っていく様は、何かの罰ゲームみたいに疲れたけど、綺麗だった。
サブローのレイダーで固められ、砕かれたディストレスは再生することなく、キラキラと宙に舞って消失した。
かなり時間がかかったから、師走で疲れてるみんなはへとへとになって、幸子のクマも、更に辛そうになって見えたし、今も笑ってはいるけど今にも寝そう……(他のみんなも)に見えるけど、パーティは凄く楽しかったし、みんな、気持ちは元気そうだ。
「皆んなにだけ、頑張らせるわけにはいかないしね。ただ、このサブロー自身も、ちゃんとフォローを得て、頑張り過ぎはしないし、皆んなにもこれまで通り、休める時は休んでほしい。……仕事は、一人では出来ないと思う。どんなにやりたくてもね。だから、辛くなる前に言って欲しい…………です。抱えなくていいんだ」
それは、アタシたちに言ったのか、サブロー自身に言ったのか、それとも誰かを思い浮かべたのか分からなかったけど、アタシもそう思ったから頷いた。
「わかった」
「出来るだけ早く、気付けるようにしたいとも思っているけどね」




