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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
AId、台頭……——降り注げ!白炎の光
9/665

08

「大丈夫、まだ生きてる」


 植込みの隙間に身を隠し、アタシたちは大猿を見つめていた。


かえで……」

「大丈夫だよ、どっかに連れて行くみたいじゃない?」


 確かに、殺すつもりならとっくにやっていると思う。

 アタシは息を吐いた。


「どうするの?」


 シュウジは小学生ながら、射撃の名手だった。

 この間、都大会にも出て、小学生の部で優勝したのだ。

 でもこんな小さな競技用の銃で……。


「……あれは、猿でしょ。爪の間を狙う」

「は!?」


 鳥肌が立つ。


「……アンタ、鬼!?」

「し、しょうがないでしょ。かえでが飛び降りたら、確保してね」

「わ、わかった」


 弟は、きっとやる。


 ピュスイッ


 乾いた音が鳴って、ワルサーの銃弾が大猿に向かって飛んだ。


 当たった!!!!


 大きなうめき声をあげて、大猿がかえでを取りこぼ……さない!


「ダメ!あいつ逆の手でキャッチした!」


「どんどん行くよ!」

「待って!」


 バタン!


 黒塗りの車のドアが勢いよく開いた。


「「はは!?」」


「ミカ!シュージ!!母もよくわかんないんだけど、この車に乗って!」


「はぁ?今それどころじゃないんですけど!」

「いいから!」


 母の腕をほどこうとする私を尻目に、弟はすでに車に乗っているッ!?


「ちょまっ!」


 車から現れたサングラスの男に、私は無理やり車に詰め込まれた。

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