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「ハァーッ!!!!!!」
アタシは力一杯、息を吐いた。
熱過ぎず、ぬる過ぎず、丁度いい温度のお湯に身を揺蕩わせて、アタシは心から、自分の一年を労った。
「ふふんふ、ふん、ふん、ふん☆」
「幸子ちゃん、いいメロディーね!あーいい湯だ!ハァーッ!!来て良かった!!!」
幸子のご機嫌な鼻歌と、母の叫びが白い湯気の中に溶けていく。
硫黄の匂いが一年頑張った体に染みる。
頑張ったら休む。
それが星ヶ咲家のルール……ということで、母、宗ちゃんは休みを取って、シュウジとアタシと何故か幸子も(いーじゃん☆オフに私一人って可哀想じゃんッ☆☆☆)エリア静岡の熱海温泉に来ていた。
山側の秘湯。源泉掛け流し。
久々の大きいお風呂が本当に気持ちがいい。
「あー……最・高ー☆☆☆冬のお風呂ってなんでこんなに気持ちいいんだろー……」
ほんとだよね……
少し空気がひんやりするんだけど、体はぽかぽか。温泉は今は世界中に出るけど、ここ、熱海は古代に枯渇した温泉を皆んなの力で復活させていて、世界に誇る温泉地となっている。
初めて来たけど、本当に最高。
温泉って、本当に最高〜フゥー……。
「幸子ちゃんもミカも、頑張ったもんね。もちろん、この母もね。上がったら冷た〜い炭酸飲もうね!」
「「わー!!」」




