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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
AId、出現…… ——抗え、純白のノエル
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「「一、二、サブロー!!!!」」


「なにそれ、今年もやるの!?」


「あったり前でしょ!?」


 ショートケーキとシャンパンでいい気持になって、アタシはハジメと肩を組んでサブローを祝った。


 二十歳になったことが本当に嬉しい。うぅ……本当に嬉しい……。


「アタシたちは兄弟なのよ!かけ声が必要なのよ!!」


「よっ仁花にか様!天才!!!」


 アタシの良くわからない理屈を肯定するハジメの声援に、更にいい気持ちになってくる。


「でっしょー!?ほら!」


 アタシは丁寧にラッピングされたケースをサブローにパスした。


「おっとと、これって……」


「新しいサングラス、ほら、サブローが好きな司会者と同じデザインの」


「わ!いいね!!!さすが仁花にか


 嬉しそうなサブローにアタシは更に気を良くする。


「ハジメとアタシが、すっっっっごく一生懸命働いて買った、すっごい高い最新のオートクチュ~ルのやつだからね~大事にしなよね」


「……うん!」


 サブローの目は、二十歳になった今も、灰色のままだった。


 立体メイクで瞳の色を変えることはできるけど、アタシたちはサブローの目が特別にいいと思っていたし、サブローはサブローで、好きな俳優やアスリートと同じモデルのサングラスを欲しがるから、どんなに高くても用意した。


 今年は、本当に高いやつ……ホログラムモバイルとほぼ同じ機能だし、登録のGPSを追えるタイプのサングラスだから、サブローにはアタシとハジメの位置情報がいつでも分かるようになっている。

 来なさい来なさい、寂しくなったらいつでもアタシたちのところに、ワープして。

 ま、サブローも18から働いてるから、忙しいかもだけどね……本当休みがほしい!まぁやりがいは……あるけどね!!!


 今年も喜んでくれて嬉しい。








◯◯◯おまけトーク◯◯◯


「ただいま〜シュウジー?……ん!?」


「あ、あねおかえりー」


「えっ、アンタ具合悪いんじゃなかったの?だからアタシも帰ってきたのに……あっ!!!」


「いやあのこれは……いや、本当にお腹痛くて……」


「アンタの好きな選手じゃん!!今日のゲスト!!!」


「いやあの……だって生放送なんだよ!?姉だって、あの海賊の声の人が出る日だったら帰るでしょ!?昼休みウキウキしに!!」


「もー日曜日に再放送()るじゃん!!!」


「今日だけ今日だけ!!あっほら出るよ!」


「ハァー……。(まぁ確かに良番組。小学生のアタシたちは日曜日にしか見れないのがツライ。へぇ、この選手、結構気さくなんだ。えっ?えっ!?嘘!アタシの好きな声優さんと友だちなの!?…………」


「……あぁ面白かった。やっぱり格好いいわー!……ていうかまさかの明日のゲスト……」


「っ!!!」


「明日も、早退する……?」


「……す……、しない!!!」


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