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「仁花さん」
ハジメはアタシをそう呼ぶ。
両親がいなくなってから。
もう三十路の大人だというのに、24になったアタシを。オトナだから、妹のアタシを尊重してこそなのかもしれないけれど。
「炒飯作ってよ、頼むよ」
兄はなんにも出来ない。仕事以外は。
アタシも一応、仕事してるんだけどね……。
まぁ、世話になってる兄だ。やってやるか。
花を愛でる暇なんてないくらい、アタシも毎日忙しい。
「……仁花様って言いなさいよ」
「イエス、仁花様」
ふっと笑ってアタシは炒飯を焼いてやる。
「仁花様、サブロー、今日遅いってさ」
ハジメはテレビを観ながら腹筋していた。
「へぇ。おぅ、鍛えて、偉いじゃんハジメ」
鍛えて貰わないと困る。ハジメが我が家の柱なのだから。
テレビの画面はビカビカと光っている。
バカな芸人がバカなことを言って。
兄は楽しそうに笑っている。
右上には今の時刻、18:18分。
テレビ横のホロカレンダーには、
30日
小さく、そう浮かび上がっていた。
「仁花さん夜勤?」
兄の問いに、アタシはため息をついた。
「そ」
◯◯◯しばらくシュウジとミカが出ないので
おまけトークを書きたいと思います◯◯◯
「姉!だんご!!どうだったっ?」
「え?まぁ……(おいしかったケド)」
「姉ってだんご好きじゃん!あんパンも好きだよね」
「まぁ……(確かに。何でだろ)」
「僕はさぁ、塩大福も好きなんだよね!あっ、ショーコさんだ。ショーコさん、実華ってだんご好きじゃないですか。何でなんですかねぇ……心当たりあります?おはようございます!」
「えっ、(笑)朝から唐突だなぁー、何でだろ……」
「おはよーショーコ。(……うーむ、確かにショーコならわかるカモ……)」
「え……えぇー?何でだろ…………丸いからじゃない?」




