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ランニングしてる川は、朝、たまに人が歩いてて、わんこの散歩をしてる人はかなりいる。
川辺の木々は紅葉していて、足元や、風景に色を添えて、水面に浮かんでは朝の光と溶け合っている。
風の中に、赤が混ざる。
土手の上にも美しい色が広がって、大きな犬が楽しそうに落ち葉の中を遊んでいたりする。
ザザー……ッと土手を降りて、川辺の道を走る。
空を鳥がゆくのを見送り、ひた走る。
ベンチがたくさん在るところが、この川のいいところだ。
「ふぅ」
少し座って、ぼー……っと川べりを眺めるのが好きだ。
ちゃぽ……と、たまに魚がきらきら跳ねる。
「ふんふん……」
「わ……」
「ごめんなさいね、人が好きなのよ」
ふわふわのわんこと(トイプードルかな?)こうやって、たまに触れ合えたりする。
ポメ吉元気かな……
アタシより服がお洒落だったりして驚くけれど、無垢な親しみに心がふんわりしたりする。
トイプーのお母さんは、少し申し訳なさそうに、嬉しそうに、川辺をゆっくり歩いていく。
清々しく冷たい空気が体いっぱいに広がっていく。
思いっっっきり伸びをして、アタシはまた走り続ける。
靴音が、心地よい。
赤がひらひらと、後ろに流れていく。
サザンカを通り過ぎて、白い椿が咲きそうな木が見えた。
アタシは息を切らせて立ち止まる。




